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1990 年度 研究成果報告書概要

環境ストレス下における作物の物質生産阻害機構とその制御

研究課題

研究課題/領域番号 01560076
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 土壤・肥料
研究機関広島大学

研究代表者

実岡 寛文  広島大学, 生物生産学部, 助教授 (70162518)

研究期間 (年度) 1989 – 1990
キーワード耐干性 / 水の移動 / ^<14>CO_2同化産物 / ^3H_2O吸収と移動 / 通水抵抗 / 相対生長寿
研究概要

平成元年〜2年度にかけて水ストレスによる作物の物質生産の阻害機構の解析を進め、作物の耐干性機構を明らかにした。主な供試草種は、耐干性の強いロ-ズグラスと弱いハトムギ、さらにトウモロコシ品種のうちこれまで圃場試験の試験結果から選定した耐干性の強いFFR915C,K8388と弱いJX77と交1号の4品種である。なお水ストレス処理は,土耕試験及び圃場試験ではpF1.7〜2.0とpF2.8〜3.2に土壌水分を調節し,水耕栽培試験はマニト-ルにより培地水ポテンシャルを変動させることにより行なった。その結果(1)いずれの草種とも水ストレス下で相対生長率(RGR)と純同化率(NAR)はともに低下し,その低下率は耐干性種ほど小さかった。しかし,葉面積比(LAR)には変動は認められなかった。この結果から,作物の耐干性は葉の生理的機能の維持と密接に関連しているものと推察された。(2)葉で同化した^<14>co_2の植物体各器官への分配率から,耐干性の弱い草種ハトムギでは,同化^<14>Cが葉部に留まり根部への移行が著しく阻害された。さらに^<14>Cが根構成成分のリグニン・セルロ-スへの取込みも少なかった。(3)水毒(H)のトレ-サ-である^3H_2OとD_2Oを用いたトレ-サ-実験から耐干性の強いロ-ズグラスでは水ストレス下でも吸収した^3H_2O,D_2Oが速やかに地上部移動できるのに対して,弱いハトムギでは根から地上部への水の移動量が少なくその速度も遅いことが明らかとなった。また,耐干の弱い草種では根と茎の接合部(茎基部)や葉身と茎の接合部(節部)で水の流れが阻害され易く,葉への水の分配が悪化することが示唆された。(4耐干性の強い草種では細胞膜の脂質特にリン脂質量とその不飽和脂肪酸含量が水ストレス下で著しく増加することから,水ストレス下での細胞膜安定性がより強化されることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] G.S.Premachandra,H.Saneoka,M.Kanaya and S.Ogata: "Cell membrase stability and leaf surface wax content as affected by increasing watern deficits in maize." J.Exp.Bot.42. 167-171 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 実岡 寛文・尾形 昭逸: "暖地型飼料作物の根から地上部への水の移動と根,茎,および葉への水の分配に及ぼす水ストレスの影響" 日本土壌肥料学雑誌. 61. 472-478 (1990)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] G. S. Prenachandra, H. Saneoka, M. Kanaya and S. Ogata: "Cell membrane stability and loaf surface wax content as affected by increasing water deficits in maize" J. Exp. Bot.Vol 42. 167-171 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] Hirohomi SANEOKA and Shoitsu OGATA: "Effect of water stress on the movement and distribution of water through the plants of forage crops" Jpn. J. Soil Sci. Plant Notr.Vol 61. 472-478 (1990)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 1993-08-12  

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