研究課題/領域番号 |
01560077
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
和田 光史 九州大学, 農学部, 教授 (90038159)
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研究分担者 |
和田 信一郎 九州大学, 農学部, 助手 (60108678)
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キーワード | 土壌改良剤 / 非晶質ケイ酸アルミニウム / イモゴライト / アロフエン / スメクタイト / 粘土の凝集 / ヒドロキシアルミニウム / 重粘質土壌 |
研究概要 |
佐賀県農業試験場と大分県農業技術センタ-の水田圃場からそれぞれスメクタイト、カオリン鉱物を主要粘土鉱物として含む土壌を採取した。その粘土(〈2μm)に、昨年度の測定に基づいて、新たに組立てた凝集試験法を適用し、合成した非晶質、準晶質ケイ酸アルミニウムポリマ-を中心に、両土壌粘土について凝集試験を行った。粘土の分散開始時の平衡溶液電気伝導度と粘土の沈定体積を基準に判定したAlを含む凝集剤の凝集効果は、両粘土とも、AlCl_3〈ヒドロキシアルミノケイ酸塩ポリマ-(HASP)、ヒドロキシアルミニウムポリマ-(HAP)〈イモゴライトの順に高くなり、アロフェンは凝集効果を示さなかった。また、20μmol Al/100mg粘土の割合でこれらの凝集剤を添加し、水洗を繰り返したとき、粘土が分散を開始した溶液のNaCl換算電解質濃度は、AlCl_3では10^<-3>〜10^<-4>M、HAPでは10^<-4>Mであり、イモゴライトでは10^<-5>Mでも粘土は凝集していた。 次に、未処理の土壌粘土及びHAP、イモゴライトの凝集効果を検定した土壌粘土について交換性Ca、Mg、K、Naを定量し、その差に基づいて、20μmol Al/100mg粘土の割合の添加では、スメクタイト質土壌粘土では陽イオン交換基の約20及び10%、カオリン質土壌粘土では約50%及び30%がそれぞれHAP及びイモゴライトの正電荷部位と結合していることを推定した。また、Na^+飽和度を21及び40%まで高めた土壌粘土では、AlCl_3及びHAPによる凝集は不完全となったが、未反応Al^<3+>を含むイモゴライト溶液による凝集は原土壌粘土と同様で、この溶液の添加と水洗で粘土の分散をひき起こすことなく、Na^+をほぼ完全に除去できることを見出した。 最後に、両土壌に凝集試験と同程度の割合で凝集剤を加え、風乾してその硬度を木屋式デジタル硬度計で測定した。しかし、凝集効果の発現と測定した土壌硬度との間には一義的な関係は認められなかった。
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