研究課題/領域番号 |
01560081
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
鈴木 鐵也 北海道大学, 水産学部, 助教授 (60027191)
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研究分担者 |
安本 教傳 京都大学, 食糧科学研究所, 教授 (50026514)
鈴木 聡 北海道大学, 水産学部, 助手 (90196816)
高間 浩蔵 北海道大学, 水産学部, 教授 (30001613)
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キーワード | 食品照射 / 電子線照射 / 水産加工製造水 / 香辛料 / 腐敗細菌 / 好熱細菌 / B.stearothermophilus |
研究概要 |
最近の食生活の多様化、自然食品、グルメ志向の高まりに伴い、農水産物由来の食品素材が様々な組み合せで利用されているが、その一方で食品添加物使用の規制などにより、腐敗、食中毒の危険性は高っている。腐敗、食中毒による経済的損失、食性病害の危険を防止するためには食品加工の早い段階での処理が望ましい。本研究では、食品保存技術のひととして注目されつつも、食品とくに水産物の処理には不適とされ、これまで省みられなかった電子線照射(EB照射)の生鮮食品や食品加工原料の保存法としての有効利用を目的に、その殺菌効果と健全性に関する検討を行った。 本年度は、水産食品が製造・加工時に腐敗細菌や食中毒原因細菌などによって汚染されることから、その原因物質である製造水のEB照射による殺菌と照射製造水の健全性ちついて検討を行った。また、食品汚染の主要原因物質のひとつである香辛料についても、EB照射法のタ-メリック根茎に付着する芽胞菌に対する殺菌効果を従来法と比較検討した。水産加工食品の製造用水の汚染指標菌としては大腸菌を、放射線殺菌効果の指標菌としてはBacillus pumilis,好熱食中毒菌としては、Bacillus stearothermophilusを用い、EB照射の殺菌効果をγ線照射のそれと好気的条件、嫌気的条件下で殺菌効果を比較した。その結果、いづれの場合も殺菌効果はγ線照射の方がEB照射より多く、好気的条件の方が殺菌効果が優れていた。また、塩素イオンの有無は1ppmまでは殺菌効果に何ら影響を及ぼさなかった。 タ-メリックに対する殺菌効果は、気流殺菌、マイクロ波照射、エクストル-ジョン処理、γ線照射、EB照射を比較すると有効な殺菌効果を示したのは、γ線照射とEB照射のみで、EB照射がタ-メリック根茎のような厚みのある試料の殺菌にも有効であることが判った。
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