研究課題/領域番号 |
01560082
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
伊藤 精亮 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (30003099)
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研究分担者 |
小嶋 道之 帯広畜産大学, 畜産学部, 助手 (20205389)
大西 正男 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (90109520)
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キーワード | 植物セレブロシド / 低温感受性植物 / 低温耐性植物 / セレブロシド分子種 / 相転移温度 / 低温馴化処理 / 不飽和ヒドロキシ酸 / スフィンゴイド |
研究概要 |
1.植物の低温感受性とセレブロシド分子種との関連性を調査した。植物セレブロシドの相転移温度は、構成スフィンゴイドの8位の二重結合の幾可異性(シス型とトランス型)によって著しく異なっており、シス型含有分子種の相転移温度はトランス型含有分子種のそれに比べて20〜40℃低いことを明らかにした。 2.植物の葉セレブロシドの化学組成、品種や生育段階ではほとんど変動がみられなかった。しかし、低温耐性植物のダイコン実生を低温処理したところ、セレブロシド組成の変動がみられた。この現象は、低温感受性植物のリョクトウやアズキ実生にはみられず、低温耐性植物であるエンドウ実生でもみられなかった。また、低温処理により、グリセロリン脂質の含量に対するセレブロシドの含量は、低温耐性植物であるダイコン茎葉およびエンドウ上胚軸では減少するのに対し、低温感受性植物である西洋カボチャ実生およびリョクトウ下胚軸では変化しないか、もしくは若干増加した。低温処理により低温耐性植物および低温感受性植物ともに、グリセロリン脂質のジアシルグリセロ-ル残基が若干不飽和化されたが、セレブロシド組成は低温耐性植物のダイコン実生のみが変動した。ダイコン実生のセレブロシドは、シス型の△^<15>不飽和ヒドロキシ脂肪酸を含有していた。この不飽和ヒドロキシ脂肪酸は、調べた10数種の植物のうち、低温耐性植物のみにみられた。 3.低温感受性のリョクトウを低温処理した時の膜脂質を調査した。膜脂質は光の存在下で低温処理すると変動が著しく、小胞体のマ-カ-酵素であるNADHーチトクロムC レダクタ-ゼ活性の増大とホスファチジン酸の増加が認められた。
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