研究概要 |
(1)新機を有するアミラ-ゼの遺伝生化学的研究 本研究室で分離したBacillus circulans F-2はバレイショ生澱粉を分解する酵素(RSDA),cl^-依存性で飽和Naclでも活性の変わらないα-アミラ-ゼ(CDA)やアミラ-ゼとプルラナ-ゼ活性を同等に有する酵素等を生産する。RSDA:pHA300にコ-ドされているRSDA遺伝子をsnbcloningし、dideoxy法により、また、本DNA断片をplasmidに組み替え一連のdeletion mutantを作製し、kilo sequencing法によりDNA塩基配列を完全に決定した。この結果、2508bpのORFを持ち、836のアミノ酸残基からなり、N末端にはsignal sequenceとして34アミノ酸残基を持っていた。アミラ-ゼに共通な活性部位に関係している4つのhomologous regionは主にN末端側に存在していた。また他の生澱粉分解酵素、および結晶性セルロ-ス分解酵素らと共通なthrとser残基を含むregionはC末端側に存在していることが判った。CDA:本遺伝子は1164bpのORF(388アミノ酸)分子量38,005daの蛋白質で20個のsignal配列を持っていることが判った。他のアミラ-ゼとの相同性検索の結果、RSDAと同様に4ヵ所の領域が見つかった。 (2)ニトロゲナ-ゼ ニトロゲナ-ゼComponent Iに対して特異的に結合するモノクロ-ナル抗体8株(MA1〜8)を取得し、これらの8種の抗体を内からアセチレン還元活性を選択的に阻害するMA1、水素ガス発生活性を選択的に阻害するMA2、両者をともに阻害するMA8を選択した。次に、大腸菌で様々な長さを持つnifD断片を発現させモノクロ-ナル抗体を反応させ塩基配列解析の結果、MA1はComponent IのαサブユニットのN末端に近い領域を、MA2はC末端に近い領域を、MA8はその中間の領域をそれぞれ認識していることが判明した。
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