研究課題/領域番号 |
01560108
|
研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
古賀 洋介 産業医科大学, 医学部, 教授 (70012458)
|
研究分担者 |
森井 宏幸 産業医科大学, 医療技術短期大学, 助手 (60141743)
西原 正照 産業医科大学, 医学部, 講師 (20131930)
|
キーワード | メタン生成細菌 / 古細菌 / エ-テル型脂質 / 細胞膜 / プロトプラスト / 細胞壁溶解酵素 / アミノ脂質 / 脂質の配向 |
研究概要 |
Methanobacterium thermoautotrophicumのプロトプラストを作るためにMethanobacterium wolfeiを大量培養し、嫌気的条件下に自己溶菌させ細胞壁溶解酵素源として用いた。このままでもプロトプラストを作ることはできるが、粗酵素液には核酸やたんぱく分解酵素などが含まれているので、プロタミン処理、DEAEセルロ-スカラムクロマトなどにより、細胞壁酵素を部分精製した。M.thermoautotrophicumの細胞壁を、フレンチプレス破砕、トリプシン消化などにより調整し、細胞壁溶解酵素活性測定の基質とし、同活性測定条件を確立し、活性の単位の表示法を定めた。この酵素を用いてM.thermoautrophicumのプロトプラストを作る条件を確立した。M.thermoautrophicumのプロトプラストを作るうえで培養はlog phaseでなければならなかった。できたプロトプラストの形状、大きさと表面構造を走査型電子顕微鏡で観察して写真を撮影し、また、稈菌状の細胞は球形のプロトプラスト数万個にひとつぐらいしか残っていないことを確認した。未処理の細胞の大きさと表面構造も観察した。プロトプラスト膜の脂質の配向を調査するために、アミノ基と反応するtrinitrobenzene sulfonic acid(TNBS)の脂質との反応条件、TNP化した脂質を薄層クロマトグラフィ-で分析する条件などを決定した。以上により、プロトプラスト膜の脂質の配向を調査するための予備実験をすべて終わった。プロトプラストにTNBSを反応させ、それぞれのアミノ脂質のうち外側からのTNBSと反応したものの割り合いを求める実験が現在進行中である。微量の新脂質2種の構造解析を行った結果、archaetidic acidとcaldarchaetidic acidであることが判明した。この脂質は分解物または人工合成物としてしか知られていなかったもので、今回初めて天然物として同定された。
|