研究課題/領域番号 |
01560120
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
森川 弘道 京都大学, 農学部, 助教授 (00089129)
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研究分担者 |
竹田 淳子 京都大学, 農学部, 助手 (30026421)
山田 康之 京都大学, 農学部, 教授 (50026415)
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キーワード | パ-ティクルガン / 遺伝子導入 / ミトコンドリア / ベ-タクルクロニダ-ゼ / ルシフェラ-ゼ / 雄性不稔性 / サザンハイブリダイゼ-ション / 形質転換 |
研究概要 |
本年度の研究において次の研究成果を挙げることが出来た。 1.窒素ボンベ圧およびエア-ライフルの発射機構を利用した圧縮空気圧を駆動力とするパ-ティクルガン装置を開発した。窒素ボンベ圧式装置の最大加速圧力は25kg/cm^2であるが、圧縮空気圧式装置では220kg/cm^2以上(プロジェクタイルの最大初速度は440m/s以上)であり、パワ-は10倍近く高い。また、圧縮空気圧式装置では径5cm以上の試料面に展開した培養細胞あるいは組織片の細胞に遺伝子導入することが可能である。 2.パ-ティクルガン法を用いて核の発現ベクタ-の遺伝子発現には成功した。すなわち、イネ、コムギなどの単子葉およびタバコ、ダイズなどの双子葉植物の培養細胞および組織片において核での発現ベクタ-のトランジェントな遺伝子(ベ-タグルクロニダ-ゼおよびホタルルシフェラ-ゼ遺伝子)発現およびタバコ培養細胞の形質転換体(ネオマイシンフォスフォトランスフェラ-ゼ遺伝子による)の育成には成功した。このことは本法により、遺伝子が細胞内へ確かに導入され、発現していることを示すものである。 3.一方、ミトコンドリアおよびミトコンドリアDNAの精製についてはニコチアナ・グラウカおよびニコチアナ・ラングスドルフィ-について完了した。それらDNAの制限酵素パタ-ンの解析も完了しつつある。 4.しかし、本研究の目的であるミトコンドリアの発現ベクタ-の遺伝子発現には未だ成功していない。そこで、今後の研究において、まず、すでに本法により得られている形質転換体の核およびオルガネラ(ミトコンドリア)DNAのサザンハイブリダイゼ-ション分析を進め、外来遺伝子が核およびミトコンドリアゲノムに組み込まれていることを確かめる。また、トランジェントな発現に焦点をしぼり、本法によるミトコンドリアへの遺伝子導入が可能であることを明らかにする。
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