本年度はPseudomonas sfutzeriのアルトテトラオ-ス生成アミラ-ゼ遺伝子(amyP)についてノ-ザンブロット方により転写単位を、Slマッピングにより転写開始点を決定した。またグルコ-ス、マルト-スによる遺伝子の発現調節について検討を行った。 amyP(1641bp)は2kbのひとつのシストロンよりなるmRNAとして転写され、また転写開始点は翻訳開始コドンの上流60bpに存在することがわかった。転写開始点上流にはPseudomonasご見出されているプロモ-タ領域共通配列およびnaltose boxに類似した配列が存在した。転写終結点付近にはE.coliに見られるboxA様の配列が見い出された。anyPをE.caliに導入した場合、発現は見られたがP.stutzeriの場合と比べその転写量は少ないうえ、転写開始点はP.stutzeriにおける開始点の49bp下流にあることがわかった。 P.stutzeriのマルトテトラオ-ス生成酵素の合成は培地にマルト-スを加えると誘導されたが、グルコ-スの添加により抑制された。マルト-スによる合成の誘導は転写レベルでの誘導であることがわかったが、グルコ-スによっては転写は抑制されず転写後に抑制された。P.amylodiraimosaのイソアミラ-ゼの場合はマルト-スにより誘導されるがグルコ-スによっては抑制を受けず、この点amyPと異っており、しかもamyPは転写後に調節を受けるということで非常に興味ある知見が得られた。 現在、転写に必要な因子(KNAボリメラ-ゼあるいはリプレッサ-)の精製を行っており、in vitroにおける転写調節についての研究を進めている。
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