研究概要 |
1.Pseudomonas stutzeriのRNAポリメラ-ゼの精製及びその性質 PstutzeriのRNAポリメラ-ゼの精製を行い,in vitroにおいてマルトテトラオ-ス生成アミラ-ゼ遺伝子(amyP)とイソアミラ-ゼ遺伝子(iam)の転写を試みると共に転写に必要なタンパク因子をさぐり,なぜこれらの遺伝子が大腸菌の中で発現しにくいかということを検討した。 PstutzeriMoー19の菌体30gより2.2%の収率でSDSーPAGEでほゞ純粋なRNAポリメラ-ゼを精製した。酵素はDNA依存性であり,α,β,β^',δのサブユニットより成るものと思われ,分子量はPaeruginosa Pseudomonas spやE.coliのものよりも小さく特徴的であった。δ因子が大きく違うことがamyPのE・coliでの発現を妨げているものと推察される。 2.Pseudomonas amyloderamosaイソアミラ-ゼ高生産変異株の解析 Pamyloderamosa SBー15を変異原処理することにより得た株MIー414はイソアミラ-ゼ生産量が10倍上昇していた。この高生産変異の要因について(1)iamの増幅,(2)iamプロモ-タ-の変異(3)iamーmRNAの安定化の三つの点から解析を行った。その結果(1)サザ-ンブロットのハイブリダイゼ-ションにより両株のiamを解析したところ遺伝子の増幅は起こっていなかった。(2)SIマッピングにより両iamーmRNAの伝写開始点は同じであることが分かった。これがプロモ-タ-変異によるものと推定し、MIー414のiamプロモ-タ-領域をクロ-ン化し,DNA塩基配列を決定したところ,その配列はSBー15のものと全く同一であった。(3)リファンピシンを用いて両株のiamーmRNA半減期をSIマッピングで解析したところ,半減期はSBー15で3分,MIー414で19分であった。以上の結果よりiamーmRNAの安定化が高生産変異の要因の一つであることが示唆された。
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