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1989 年度 実績報告書

レトロ配向性オピイドアンタゴニストペプチドに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 01560148
研究機関京都大学

研究代表者

吉川 正明  京都大学, 農学部, 助教授 (50026572)

キーワードCasein / Loctoferrin / Opioid Peptide / Antagonist / Retro-peptide
研究概要

レトロ配向モデルに従って合成したretro-Dynorphin 13 methylesterは強いκレセプタ-選択性を持ったオピオイドアンタゴニストであり、Try-OCH_3をC末端に持ったオピオイドアンタゴニストがレトロモデルに適合する事例が拡大された。
牛乳κ-カゼインのペプシン分解物から単離したcasoxin 6(Tyr-Pro-Ser-Tyr-OCH_3)および、これをもとに合成したcasoxin 5(Arg-Tyr-Ser-Pro-Tyr-OCH_3)はμ-およびκ-レセプタ-に対し親和性をもつオピオイドアンタゴニストであるが、casoxin 4(Tyr-Pro-Ser-Tyr-OCH_3)はμ-レセプタ-に対し選択的なオピオイドアンタゴニストである。即ち、これらのオピオイドアンタゴニストではN末端側に存在する塩基性残基がκ-レセプタ-に対する選択性を支配しているが、これはオピオイドアゴニストペプチドにおいてC末端側に存在する塩基性残基がκ-レセプタ-に対する選択性にとって必須な事実と丁度逆の関係である。このことは、Tyr-OCH_3をC末端に持つこれらオピタイドアンタゴニストがオピタイドレセプタ-上でレトロに配向して結合するという我々のモデルの論拠の一つである。κ-カゼインのペプシン-トリプシン分解物から今回単離した新しいオピオイドアンタゴニストcasoxin A(Try-Pro-Ser--TurGly-Leu-Asn-Tyr)はC末端が遊離の場合でもかなり強いオピオイドアンタゴニスト活性を示し、μ-レセプタ-に対し選択的をリガンドであった。κ-カゼインのペプシン分解物から得られたSer-Arg-Casoxin Aもまたμ-レセプタ-に選択的なリガンドであり、casoxin 6のようなκ-レセプタ-選択性は示さなかった。このことは、レトロモデルはcasoxin AおよびSer-Arg-Casoxin Aには適用され得ず、またTyr-Gly-Leu-Asn-Tyr配列の意義はTyr-OCH_3とは異なることを意味している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] H.Chiba: "Opioid Antagonist Peptides Derived from κ-Casein" J. Dairy Res.56. 363-366 (1989)

  • [文献書誌] 吉川正明: "食品由来の生理活性ペプチド" 食品工業. 33. 20-25 (1990)

  • [文献書誌] F.Tani: "Isolation and Characterization of Opioid Antagonist Peptides Derived from Human Lactoferrin" Agric.Biol.Chem.54. (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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