本研究の目的は、1980年代以降(2度のオイルショック以降)の世界的な木材需要と森林・木材資源および木材貿易、さらに幅広い関連経済指標のデ-タを整理し、その計量経済学的分析を行って、世界的な木材の需給構造を明らかにすることにある。最終年度である本年度には、計量経済モデルを作成する予定であった。 前年度に引き続き統計資料を収集するとともに、世界の森林資源・木材需給に関する分野の文献を収集した。収集した統計資料は図表表示や単純記述統計などの記述統計学的な加工を行い、実態の分析を行った。数理統計的処理を経た情報に加えて文献からの情報をも用いて、定性的また定量的な事実把握に努めた。こうして得た知見を基に計量経済学的モデルを構築し、検定を行った。 前年度に起きたパ-ソナルコンピュ-タ導入に伴う障害が本年度の計画にも影響を及ぼし、計画に多少の遅れが生じてしまった。そのため、日本とアメリカ合州国を中心に環太平洋の木材需給状況を中心に計量経済モデルの構築を始めた。 統計資料の分析から、米材の現地挽き製材品の増加が特に顕著な動向として把握された。計量経済学的な検討は未だ充分でないが、為替レ-トの動向が大きな影響を持つことが分かった。
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