フェノ-ルとユリアをホルムアルデヒドで共縮合させるには、メチロ-ルフェノ-ルを既め合成しこれとユリアを反応する方法が望ましい。この基礎的な反応を、2-ヒドロキシベンジルアルコ-ル(OMP)と4-ヒドロキシベンジルアルコ-ル(PMP)を用い動力学的に扱い次のような結果を得た。1.逆相系のカラムを用いると、OMP、PMPならびにこれらのユリアとの共縮合物とが効率よく分離定量でき、動力学解析に応用できる。2.前項と^<13>C-NMRの測定から共縮合反応系における各化合物のモル濃度が定量できる。3.OMPあるいはPMPとユリアの反応では、ユリアを大過剰に用いると、メチロ-ルフェノ-ルの自己縮合を抑制でき、共縮合だけを動力学的に解析できる。この方法によると、共縮合反応は擬一次反応によく一致し、OMP、PMPのユリアとの反応についてpH3.5付近における反応速度定数を決定した。4.OMPとPMPを共存させユリアとの縮合反応を同時に解析する方法を確立した。5.以上の動力学的解析により、オルソ-位のメチロ-ル基の反応性は、パラ-位のメチロ-ル基に比べ1/7〜1/10程度であった。6.反応速度が酸触媒の種類に依存することを硫酸、塩酸、種々の有機酸を用いて明らかにした。また、反応速度の酸性度依存性ならびに温度依存性を明らかにした。 以上の結果より、モノメチロ-ルフェノ-ルの反応性を把握したので来年度は、ジ-およびトリメチロ-ルフェノ-ルをモデルとして用い動力学解析を行う。これにより、実用的な共縮合樹脂を合成する際の至適な条件が設定できるものと考えている。
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