研究課題/領域番号 |
01560186
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林産学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
川井 秀一 京都大学, 木材研究所, 助教授 (00135609)
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研究分担者 |
野村 隆哉 京都大学, 木材研究所, 助手 (60027167)
佐々木 光 京都大学, 木材研究所, 教授 (50027158)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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キーワード | 竹材 / 積層材 / パ-ティクルボ-ド / ゼファ- |
研究概要 |
竹材を原料とする各種要素(たとえば、スライス単板、ゼファ-、パ-ティクル、ファイバ-など)のボ-ド、および木質パ-ティクルとの積層ボ-ドを製造し、その材質を検討した。この結果、竹材積層パ-ティクルボ-ドが軽量かつ高強度、高剛性をもつ高性能材料であることを明らかにした。しかし、曲げ試験の際には、試験体の多くはせん断破壊し、曲げモ-メントによる破壊が認められたのはわずかであった。したがって、フェイス・コアの比率、比重、試験時のスパンによって、破壊形態が異なってくるものと予測された。 竹材の優れた力学的特性をさらに活かすために、有限要素法ならびに積層梁理論に基づいた応力解析によって、上述の因子をパラメ-タにして竹材積層複合ボ-ドの曲げ試験時の破壊条件に関して、シミュレ-ション実験をおこなった。得られた結果を以下に示す。 1)曲げ試験時の破壊形態(曲げ破壊あるいはせん断破壊)は、いずれの方法によっても、コアの厚さとボ-ド厚さの比、ボ-ド厚さとスパンの比、およびコアとフェイスのヤング率の比を考えることにより、容易に予測できることが明らかになった。 2)前年度の実験で観察されたせん断破壊が、数値解析的に確認された。 3)これらのパラメ-タを適当に選択することによって、木竹複合ボ-ドが合板同等の曲げヤング率をもち、約2倍の曲げ強度を示すことが予測された。今後、このような複合ボ-ドの力学的性能について実験的検証が必要である。 このほか、竹材表皮面および髄腔面の低い接着性能を改善するために、各種の物理的・化学的前処理の効果を検討した。その中で、サンドブラスト法による表面の物理処理が接着性改善に効果的であり、とくにフェノ-ル樹脂接着剤の場合にはこの効果が顕著であることを見いだした。この処理法は簡便で処理速度が速く、自動制御が可能であるだけでなく、曲面をもつ表面の処理にも適用できるので、竹の接着加工の前処理法として広い適用性をもつものと考えられる。
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