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1991 年度 実績報告書

フェノ-ル樹脂吸着によるパ-ティクルボ-ドの材質の改善

研究課題

研究課題/領域番号 01560193
研究機関京都府立大学

研究代表者

梶田 煕  京都府立大学, 農学部, 助教授 (90046467)

キーワードパ-ティクルボ-ド / 寸法安定化 / フェノ-ル樹脂 / 分子量 / 分子量分布 / 耐朽性 / 耐久性
研究概要

まず、フェノ-ルとホルムアルデヒドのモル比を種々変化させて分子量の異なる数種のフェノ-ル樹脂を合成した。高アルカリ性であるこれらの樹脂を酸性化し、pHを4程度とした後、ゲルバ-ミエ-ションクロマトグラフィ-(GPC)で数平均分子量および分子量分布を測定した。これらの樹脂を木材に含浸・硬化させたが、含有率30%の処理材の吸水による抗膨潤能は樹脂Aで約70%であるが、その値は分子量の増加とともに急激に低下し、樹脂Eでは約30%となる。分子量の小さい樹脂は細胞壁中に入ってかさを増し、また高温硬化により木材実質のOH基と水素結合あるいは化学結合を生じて、OH基をブロッキングし大きな寸法安定性が得られるが、分子量が大きくなると樹脂は壁中に入らず、主として細胞内腔に多く沈着し、寸法安定性に効果をもたらさないこと、また樹脂中の2,4,6ートリメチロ-ルフェノ-ルの存在が木材の寸法安定性に大きく影響を与えることを明らかにした。また、アルカリ性の樹脂の場合、樹脂含有率が高いと抗膨潤能が低下する傾向があったが、pHを低くすることによって改善できた。低分子量と高分子量樹脂を混合したものをパ-ティクルに噴霧して単層ボ-ドを製造し、各種促進劣化試験に供した結果、ASTM処理後の厚さ膨張率は低分子量の樹脂を5%添加しただけで無処理ボ-ドのそれの約半分にまで低下した。また、樹脂を20%含浸したボ-ドのスプリングバック量はほとんど生じない。促進劣化処理後のはく離強さは樹脂AとEの組合せによるボ-ドが大きいことなどの知見を得た。また、樹脂含有量の増加ならびにボ-ド比重の増加とともに、ボ-ドの腐朽およびシロアリ食害が低下した。樹脂を浸せき法で含浸した場合は、ボ-ド比重に関係なく樹脂含有率15%で、腐朽による劣化やシロアリによる食害を抑えることが可能であることを明らかにした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 柳 在潤: "フェノ-ル樹脂処理パ-ティクルボ-ドの耐朽・耐蟻性" 日本木材学会誌. 37. 874-878 (1991)

  • [文献書誌] 梶田 煕: "パ-ティクルを化学処理して製造したボ-ドの耐久性について" 材料(日本材料学会誌). 41. 170-175 (1992)

  • [文献書誌] Hiromu Kajita: "Improvement of Physical and Biological Properties of Particleboard by Impregnetion with Phenolic Resin." Wood Science and Technology. 26. 63-70 (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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