研究課題/領域番号 |
01560215
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
原 彰彦 北海道大学, 水産学部, 助教授 (40091483)
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研究分担者 |
山内 晧平 北海道大学, 水産学部, 助教授 (10109514)
実吉 峯郎 北海道大学, 薬学部, 助教授 (20002339)
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キーワード | サケ科魚類 / 血清蛋白 / 電気泳動法 / グアニン結合蛋白 / プリンヌクレオシドホスホリラ-ゼ / 甲状腺ホルモン / スモルト / 銀毛 |
研究概要 |
降海性サケ科魚類の多くは孵化後一定期間河川生活を送った後、形態的には体型の変化に伴い体色が銀白色を呈し、スモルトになり降海する。このスモルトは生理的には海水適応能の発達を含む複雑な現象であり、これまで多くの研究がある。しかし、体色の銀白化を起こした魚のみが海水適応能を獲得するのにかかわらず、これら両者の関係は全く不明である。銀白化は実際には甲状腺ホルモンの関与のもとに、表皮へのグアニン塩基の蓄積によるものであるが、このグアニンの由来、運搬経路については明らかではない。グアニンが肝臓で生成され、血液を介して表皮へ運ばれると考え、スモルト化を物質レベルで定量化することを目的として研究を行った。 サクラマス1年魚を用い、パ-およびスモルトの血清を採取し、それぞれの血清に対する家兎抗血清を作製した。これらの抗血清を用いた寒天内2次元電気泳動法の結果からα-グロブリン位に移動する血清淡白がスモルトに観察された。さらにラジオアイソト-プ標識したグアニンの結合性を指標として、グアニン結合蛋白の検索を上記抗血清を用い、免疫電気泳動のオ-トラジオグラフィ-を行ったところ、少なくとも4成分のグアニン結合蛋白が観察された。 一方、肝臓におけるプリンヌクレオシドホスホオリラ-ゼの活性に関してはサクラマス1年魚に加えて、雌雄ともに、しかも、同調的にスモルト化するスチ-ルヘッドマス1年魚を2-7月にわたって15点のサンプリングを行った。また、プリンヌクレオシドホスホリラ-ゼの活性測定法3種の比較検討を行い、イノシンを基質として、キサンチンオキシダ-ゼとのカップルアッセイにより、生ずる尿酸を定量化する方法を選定した。また、アイソザイム検討において、従来行われてきたスタ-チゲル法を改め、ポリアクリルアミド電気泳動法を確立した。
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