研究課題/領域番号 |
01560239
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研究機関 | 釧路公立大学 |
研究代表者 |
土井 時久 釧路公立大学, 経済学部, 教授 (60137388)
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研究分担者 |
澤田 学 帯広畜産大学, 畜産学部, 講師 (60142791)
西村 正一 釧路公立大学, 経済学部, 教授 (70003043)
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キーワード | ビ-ト(てん菜) / 甘蔗(さとうきび) / 糖化安定法 / 農産物価格安定法 / 関税割当制度 / 澱粉 / 馬鈴薯 / 甘藷 |
研究概要 |
平成2年度は(1)国内甘味資源と国際市場のかかわり、(2)国内甘味資源としての甘蔗・馬鈴薯澱粉の生産とこれに関わる保護政策、(3)北海道における甘味資源農作物としてのてんさい、馬鈴薯の生産性の推移について分析した。 (1)では食用とうもろこし無税輸入枠拡大により国内の砂糖・異性化糖の取引量、輸入量と国内市場価格はどの程度変化するかについて部分均衡モデルに基づくシミュレ-ションをおなった。平成3年度からは抱き合わせ比率が現行の9.0からさらに拡大し、このことが国産澱粉のコンスむけ需要を減少させ、特に馬鈴薯澱粉では一般市場での供給過剰による価格低落も予想される。 (2)では甘蔗・馬鈴薯澱粉の生産コストが近年どのように変化しているか、コストの決定要因は何かについて検討した。甘蔗澱粉については工場の零細性と原料甘蔗の小規模生産のため馬鈴薯に比べてより手厚い保護をしているにもかかわらず、高コスト生産となっている。馬鈴薯の場合は昭和40年代以後の規模拡大と工場の相対な大規模生産により工場排水処理問題等を独自に解決しつつ甘蔗澱粉より低コスト生産を行っている。しかし近年の生産制限により平均生産性は大規模工場でかなり顕著なコスト上昇をひき起こし、将来の生産拡大が困難な場合に予想される工場再編に際し地域農業に与える影響の大きいことが懸念される。 (3)では北海道畑作のなかで重要な地位をしめるてんさい、馬鈴薯の生産性指数を十勝について計測し、その変化要因を分析した。昭和40年代を通じて急速な生産性増加がみられ、とりわけてんさいはペ-パ-ポットによる移植栽培と機械化の進展は著しい。しかし昭和50年代以降になると生産性の上昇は鈍化し、また従来の規模関格差も縮小傾向にある。これは機械化の時期別の性格の相違などによると考えられる。
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