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1.本研究の対象地域として、長野県中央部の中信地域を選定し、そこでの水文気象資料、地形資料等の実測およびデ-タ収集を行い、基礎的な気象デ-タの整備を進めた。
2.現地観測は各種地表面(水田、畑、裸地、芝地、コンクリ-ト面等)における温湿度の垂直分布、ならびに熱収支観測等を行った。この結果から、土壌水分の乾湿状態を表現するパラメ-タとして、各種地表面上でのボ-エン比を推定し、このパラメ-タが定性的には季節の相違を示す有効な指標となる可能性を認めた。
3.さらに、土壌水分および土壌肥料条件の相違による生産力への影響を検討するため、水稲による圃場実験を行い、各種条件の異なる状況下での光合成、蒸散、気孔低抗などの貴重な実測デ-タの収集、分析を行った。その結果によれば、光合成は主に土壌水分条件によって規定され、土壌栄養条件は葉面積の生長等に対しては影響を及ぼすが、光合成強度に対しては間接的影響に留った。
4.生産力評価の導入による土地利用計画法の方法については、十分な検討ができなかったが、今後にむけてのその意義と評価フロ-についての検討を行った。
5.以上から、植物生産に係わる気象、生産環境に関する基礎的で貴重な成果を中心として、それらの成果をとりまとめた成果報告書を作成した。
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