1.オゾン殺菌装置の試作及びオゾン水調製実験 ステンレスタンク(内容量20リットル)内でオゾン発生器から供給される気相オゾンと水を接触させてオゾン水の調製を行った。その結果、気相オゾンの濃度及び水量によって一定の平衡濃度値ち達することを知った。平衡濃度値に達した後、気相オゾンの供給を停止すると比較的短時間にオゾン水中のオゾン濃度は低下することを知った。オゾン濃度の低下を防止するために水のpH値を低下させること(酸性化)が有効であった。 2.オゾン水による"もやし"の殺菌実験 もやしは原料の豆に由来する一般生菌、大腸菌群が多数付着し、鮮度保持期間が工場から出荷されてほぼ2日間とされている。本実験ではオゾン濃度0.5mg/リットルのオゾン水中で一定時間"もやし"を殺菌するときの処理時間・処理量と"もやし"に残存する菌数との関係および水中のオゾン濃度の関係を調べた。その結果、オゾン水の量に対して"もやし"の量が多い場合(オゾン水1に対してもやし0.05以上)は"もやし"投入後、ごく短時間内にオゾン濃度がゼロになった。従って、その後の実験は気相オゾンを供給しつつ殺菌を行った。 その結果、初発菌数(一般生菌数5×10^7オ-ダ-)が1/10程度に低下することを知った。 3.気相オゾンを用いたイチゴの殺菌実験 イチゴの鮮度保持期間を延長させるために低温貯蔵(-0.5℃程度の低温貯蔵:氷温貯蔵)が有効であることを既に明らかにしているが、20日間以上の貯蔵を行うと、ほ場由来の菌によって腐敗が生じる。これを防ぐために貯蔵前にイチゴ表面を殺菌することが有効であると考えた。実験の結果、50ppm濃度の気相オゾンで60分間処理すると貯蔵期間をほぼ1.5倍に延長できることを知った。
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