研究概要 |
可搬型マイクロコンピュ-タに装着したカラ-画像処理ボ-ドによって、走行する田植機の位置を判定するため、赤緑青の三原色で色付けした彩色ボ-ドを田植機に装着させた。実験の結果、赤色が最も確認し易すかった。ついで、カメラ、画像処理ボ-ド、マイクロコンピュ-タの全て1台毎で、田植機の位置の判定を行う実験を行った。これは、2台のカメラでステレオ方式により距離と位置の判定を行うための、基礎となるものであると考えられる。赤色彩色ボ-ドを装着させたア-ティキュレ-ト式乗用田植機をコンクリ-ト路面上で走行させ、ビデオカメラで撮影した。そして、画像処理ボ-ド中に格納された画像の中から最も明るい赤色の画素を水平方向に積算し、赤色の集積した位置に田植機が居ると判定した。具体的には,画面を縦に分割し、左端から水平方向に最も明るい赤色画素の数を積算し、縦方向に10ドット以上あってしかも左横方向に3ドット以上続いたところを田植機(赤色ボ-ド)の左端とした。一方、右端からも同様にして、田植機の右端を検出した。左端と右端を減算し、その差を田植機の幅(赤色ボ-ドの幅)とし、左端と右端の中央を田植機の中央(赤色ボ-ドの中央)とした。田植機とビデオカメラの距離を変化させて、カメラ画面上の田植機の幅を検出し、これから距離と幅の回帰式を作成した。また、ビデオカメラの中心と田植機の中央との偏差から偏位角を算出した。実験では、偏位角が2°以上のとき田植機の操舵を制御するようにした。そして、コンクリ-ト路面上では実験に成功した。今後は、圃場内を走行する赤色目標物を装着した田植機を,圃場端点固定させてあるが、水平面上で回転させることができるようにした2台のカメラで追備させ2台のカメラの内角を計測し、田植機の距離と位置を検出するステレオ方式による位置検出システムを構築するとともに、水田内での走行実験を行う予定である。
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