堆肥埋込みのために試作した作業機は、マニュアスプレッダの堆肥散布装置をとりはずし、試作したオ-ガ式堆肥排出装置を取り付けたものである。この排出装置は、マニュアスプレッダの床チェ-ンによって送られてきた堆肥を中央に集めるために、左右逆スパイラルのオ-ガを水平に、また、集められた堆肥を一定量ずつ排出するために、そのオ-ガに直角で垂直になるようにもう一つのオ-ガを取り付けたものである。 今年度は、この試作した作業機について、堆肥の排出量調節を的確に行う方法を見出すために、室内でバ-ク堆肥を用い、この装置の性能実験を行った。 実験結果は次のようになった。床チェ-ンによってオ-ガ部へ堆肥を搬送するとき、床チェ-ンの送り速度が増加すると、オ-ガ部の堆肥の充満率は増加し、軸トルクも増加する。そしてさらに堆肥の搬送量が増加すると、オ-ガ部は追従しなくなる。また反対に、床チェ-ン送り速度が減少すると、オ-ガ部における堆肥の充満率は低下して効率は悪くなり、一定の排出量が得にくくなる。 一定の堆肥排出量を得るためには、オ-ガ部排出口オ-ガ軸の回転速度によって調節する方法が最適である。そのためには、オ-ガ部の堆肥充満率が高くなるように充分に堆肥をオ-ガ部に送ることである。また搬送量が過剰になるとオ-ガ部は追従しなくなくなるのと、床チェ-ンによる堆肥の搬送をON-OFF制御によって調節し、オ-ガ部の堆肥充満率が常に80%位になるようにすればよいと考えられる。このような制御方法によって堆肥排出量の調節が容易にできるので、来年度には、この方法を装置化して、ショベル・覆土装置を取付けて圃場にて実験を行う予定である。
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