研究概要 |
情報伝達にさほど迅速性を要求せず,現象が発生してから数分あるいは数十分の遅れは許されるが,確実なエラ-フリ-の情報が要求され,これによって的確な判断をして確実な制御を行わねばならぬ例として,貯蔵施設などがある。エラ-フリ-に遠隔地に確実に情報を伝送する方法としてパケット通信を,適切な判断をする手段として管理用エキスパ-トシステムを組合せ,貯蔵施設の状況を常時観測しつつ確実に制御を行うシステムを構成することを期して,二つのレベルにおける実用化を期し,研究を実施している。 その一はエキスパ-トシステムの利用システムとしてのレベルで,産地に農協など情報センタとなる基地局が一つと,生産者が持つ貯蔵施設すなわち端末局が多数存在する状態を想定したものである。基地局はRBBSによるエキスパ-トシステムを持ち,端末局は自分のところで発生した現象をみて基地局にアクセスし,その現象が何であるか,何に起因しどう対処すべきかを知り,それに従い処置するものである。いくつかの事例につきエキスパ-トシステムを作り,その可能性を検討した。基本的には全く問題がないが,エキスパ-トシステムのレベルを上げることが課題となる。第二はオンラインによる計測デ-タの伝導とそれに基く貯蔵施設等の遠隔制御である。基地局から貯蔵施設におかれた端末局に観測デ-タをきき,送られて来たデ-タを見て制御信号を送り遠隔制御する方式である。判断の基となるエキスパ-トシステムの操作はデ-タを見ての人力操作による。これも基本的な問題はないが,エキスパ-トシステムのレベルアップと,観測すべきデ-タに関する実装技術の工夫を行なっている。
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