研究概要 |
豚の体表面3次元座標デ-タファイルから体表面を3角形面素で構成する多面体表示方法を確立した.その方法は豚体を胴体部,耳翼部,前脚部,後脚部に分割した後,各部位において一定の断面間隔で体表面上の点をスプライン関数でサンプリングし,第K断面と第(K+1)断面間において3角面素を作製するものである.表1は体重27kg豚の各部位を3角形面素で多面体表示したときの頂点数,稜線数,面素数である. 図1は多面体表示したときの豚について,隠線処理および隠面処理を施した透視投影図のコンピュ-タグラフィックスである.このように任意の位置から見たときの豚姿態はコンピュ-タ内で立体的に再現可能になった.各部位間の接続関係および相互干渉関係については検討がさらに必要であるが,本研究により体表面の熱・物質伝達率の数値解析が体表面形状に基づいて行なえるようになった. 稜線探索法により透視投影図から輪郭線を抽出し,輪郭頂点座標を透視座標系からワ-ルド座標系に戻した後に立体角投射法則に基づいた座標変換を施すと,立体角投射図が得られることを確認した.すなわち本研究手法を用いることにより放射伝熱に関する豚の形態係数が体表面形状に基づいて算定可能である. 多面体表示した豚の平行投影図は太陽からの直達光を受けている体表面を表している.したがって,任意の太陽位置における平行投影図から豚体表面に入射する直達日射量を体表面形状に基づいて算定できることも確認した. 本研究手法は汎用性を考慮したものであり,他の家畜についても引き続き解析中である.
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