研究課題/領域番号 |
01560279
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
藤田 裕 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (40003082)
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研究分担者 |
熊瀬 登 帯広畜産大学, 別科, 助手 (10113698)
高橋 潤一 帯広畜産大学, 畜産学部, 助手 (20111198)
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キーワード | 牧草サイレ-ジ / 粗飼料蛋白質 / 第一胃内分解性 / Logistic型回帰モデル |
研究概要 |
平成元年度には、牧草サイレ-ジ蛋白質の第一胃内分解性の変動と制御に関する要因のうち、とくに飼料側の要因を明らかにするため、次記3区分の試験を実施し、以下の結果を得た。 1.牧草サイレ-ジ蛋白質の第一胃内分解パタ-ンの解析 イネ科主体1番草を原料草として、それぞれ、乾草とサイレ-ジを調製した。ナイロンバッグ法によって、各粗飼料蛋白質の第一胃内分解性を経時的に計測し、非線形回帰モデルへの当てはめによる分解パタ-ンの数値的解析を行った。その結果、乾草、サイレ-ジともに早期刈取牧草は通常刈取のものに比べて、蛋白質分解率が高く推移すること、サイレ-ジでは、培養初期の分解率がとくに高いことを認めた。また、各飼料蛋白質の分解性の経時的変化はLogistic型モデルへの適合度が高く、粗飼料蛋白質分解性の解析に有効なことが示された。 2サイレ-ジ中窒素化合物および構造性繊維成分の変化と分解率の関係 牧草サイレ-ジは、調製・貯蔵過程で非蛋白態窒素化合物が増加し、その結果、培養初期の蛋白質分解率が著しく高くなる。水分含量が異なる場合の比較により、蛋白質の初期分解率は高水分サイレ-ジの方が高いことが認められた。また、構造性繊維成分含量の高井サイレ-ジは蛋白質分解率が低く推移する傾向を明らかにした。 3.サイレ-ジ調製条件の変換による蛋白質分解性の制御効果 サイレ-ジ調製時に、蛋白質変成効果をもつ添加剤として蟻酸、フォルムアルデヒド及びタンニン酸を添加調製した場合について、蛋白質分解性を検討した。その結果、これらの添加剤のうち、蟻酸(原料乾物1Kg当たり4.4Kg)とフォルムアルデヒド(同3.3g)の併用が蛋白質の初期分解の抑制に効果のあることが示された。
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