研究概要 |
本研究は黒毛和種(B)♂×日本短角種(N)♀、ブラ-マン種(Z)♂×B、Nおよびホルスタイン種(H)♀のF_1雌牛の哺乳量およびそれらのF_2産子の発育成績を調査するとともにF_2産子の肥育過程における増体量と枝肉格付成績を調査することを目的とした。F_1雌牛に対してはすべてB♂を交配した。 1.産子の増体能力における品種グル-プ間比較 9ー10月に分娩した産子の生後4ヶ月間の増体能力はZH,ZN,NN,ZB,BN,BB雌牛の産子の順に優れていた。平成2年度も引続き調査する予定である。 2.母牛の哺乳量における品種グル-プ間比較 BB,NN各7組,ZH,ZN,ZB,BN各2組(母子牛)の計22組を用いて、子牛の哺乳量(母牛の授乳量)を生後約2,3,4ヵ月目にそれぞれ各1日間、子牛の体重差法(24時間2回哺乳)で推定した。その結果、3回の哺乳量の平均はNN,ZN,ZH,ZB,BN,BBの順に多く、それぞれ7.2,6.6,6.6,5.5,4.9,3.9kgとなり、NNが最も多く、BBが最も少なかった。 3.去勢肥育牛の産肉性における品種グル-プ間比較 NN2頭、BN13頭、BB19頭、計34頭を用いて、放牧育成後(約18カ月齢)から8ー12カ月間、濃厚飼料多給方式で肥育し、増体量、生体の皮下脂肪厚及び枝肉格付成績を調査した。その結果、増体量はNN,BN,BBの順に大きく、皮下脂肪もその順に厚かった。しかし,肉質、とくに脂肪交雑ではBBが最も優れ、BNとNNとは差異はなかった。
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