研究課題/領域番号 |
01560295
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
畜産学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
橋口 勉 鹿児島大学, 農学部, 教授 (80041614)
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研究分担者 |
岡本 新 鹿児島大学, 農学部, 助手 (70158814)
前田 芳實 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (50041661)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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キーワード | 薩摩鶏 / 動物遺伝資源 / 筋肉蛋白質代謝回転速度 / 合成・分解速度 / 遺伝率 / 飼料効率 / 遺伝的変異性 / DNA切断片長多型(RFLP) |
研究概要 |
在来鶏である薩摩鶏は、その肉質がすぐれていることから最近のブロイラ-専用種の肉質の改善に寄与することが期待され、薩摩鶏とブロイラ-専用種との交雑F_1 (薩摩鶏交雑ブロイラ-)が鹿児島県の農家に普及されつつある。本研究は、動物遺伝資源としての活用が期待されている薩摩鶏(赤笹系)について、種々の遺伝的特性の評価を行った。薩摩鶏などの在来鶏について筋肉蛋白質代謝回転速度を分析し、実用鶏である卵用鶏および肉用鶏との比較検討を行った。その結果、薩摩鶏などの在来鶏は合成・分解速度ともに、実用鶏に比して高い値を示した。薩摩鶏を実用鶏として改良する過程において、初産日齢、卵重、産卵数および300日日齢体重についてその遺伝率およびこれら特質問の遺伝相関および表型相関係数の評価を行った。さらに、薩摩鶏の経済能力向上を計ることを目的として、育成期間中の飼料効率に関する遺伝的パラメ-タ-の推定を行った。父親分散成分から遺伝率を評価すると、4週齢時体重0.27、9週齢時体重0.10、4〜9週齢時採食量0.07、4〜9週齢時増体量0.08、4〜9週齢時飼料効率0.18といずれも低く評価された。今後、薩摩鶏の飼料効率を改良する場合は個体選抜よりも家系選抜による方が望ましいと考えられる。つぎに、血液蛋白質型18遺伝子座位を遺伝標識として薩摩鶏の遺伝子的変異性を推定した。その結果、多型遺伝座の割合(Ppoly)は0.22、個体当り、座位当り平均ヘテロ接合の割合(H^^ー)0.08および座位当り対立遺伝子の有効数(Ne)は1.1と評価された。さらに、DNA切断片長多型(RFLP)を利用して鶏の品種分化に関する知見を得るために、薩摩鶏をはじめ13品種の核DNAよりランダムクロ-ニングしたDNAをプロ-ブとして用い、RFLPの検出を試みた。その結果、制限酵素による切断において5〜10本のハイブリッドのバンドが検出されたが品種内変異は認められなかった。
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