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1989 年度 実績報告書

腎糸球体の濾過障壁の機能特性についての微細形態学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 01570003
研究機関東京大学

研究代表者

坂井 建雄  東京大学, 医学部(医), 助教授 (90114488)

キーワード腎臓 / 糸球体
研究概要

腎臓組織の良好な微細形態像を得るために、今年度は、低圧灌流装置を用いて、様々の灌流条件で、腹大動脈から動物を灌流固定し、灌流条件の設定を行なった。腎組織は、その構造、機能上の特性から、潅流条件によって微細構造が著しく影響を受けるが、これまでの灌流条件の腎組織構造に対する影響を系統的に調べた試みはない。このような試みがこれまで行なわれなかったのは、従来の灌流ポンプが、流量のみを調節する点にある。流量を調節しても、動物の末梢循環抵抗が個体にによって異なるため、個体ごとに灌流圧が変り、安定した結果を得られないのである。今回、小坂研究所と共同開発した定圧灌流装置により、末梢抵抗の大小にかかわらず、一定の圧で動物を潅流できるようになり、灌流条件の系統的な設定が可能となったのである。
さらに腎組織を電顕観察用に処置するにあたり、通常の標本作成法と、低温脱水法とを用い、両者による像を比較検討した。低温脱水法は、坂井らが開発した電顕標本作成法で、細胞膜や細胞内外の線維状構造の保存と描出に優れている。今回は、とくに腎糸球体の主要な濾過障壁である糸球体基底膜を検索し、さらに糸球体基底膜の構造的、機能的特徴を明らかにする目的で、比較の対照として尿細管基底膜を検索中である。この研究結果については、一部を、平成元年の日本腎臓学会で発表し、さらに平成2年4月の日本解剖学会においても発表の予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Sakai,T.: "Major ocular glands(Harderian gland and lacrimal gland)of the musk shrew,Suncus murinus,with a review on the comparative anatomy and histology of the mammalian lacrimal glands." Journal of Morphology. 201. 39-57 (1989)

  • [文献書誌] 坂井建雄: "糸球体濾過調節におけるメサンギウム細胞の役割。" 腎と透析. 26. 819-827 (1989)

  • [文献書誌] 坂井建雄: "尿細管の構造とセグメントの新しい命名法。" 日本臨牀. 47. 1451-1459 (1989)

  • [文献書誌] Kriz,W.,Elger,M.,Lemley,K.and Sakai,T.: "The structure of the glomerular mesangium:a biomechanical interpretation." Kidney International. (1990)

  • [文献書誌] Kriz,W.,Elger,M.,Lemley,K.,Sakai,T.: "Mesangial cell/GBM-connections counteract glomerular capillary and mesangium expansion." American Journal of Physiology. (1990)

  • [文献書誌] 坂井建雄: "メサンギウムの微細形態と糸球体濾過装置。" 腎と透析. (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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