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1989 年度 実績報告書

消化管タフト細胞の形態、発生、動態、機能の全容-組織化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 01570006
研究機関金沢大学

研究代表者

井関 尚一  金沢大学, 医学部, 助教授 (50167251)

キーワード刷子細胞 / 脂肪酸結合蛋白 / 免疫組織化学
研究概要

刷子細胞(タフト細胞)はヒトを含む哺乳動物の消化管や気道の上皮に存在する特殊な細胞種であるが、その本能には不明な点が多かった。当該年度の研究において、ラットの肝型脂肪酸結合蛋白(L-FABP)への抗体によりラット胃の刷子細胞のすべてと、腸管、胆管の刷子細胞の一部が免疫染色されることが見出された。これにより、L-FABPがこれまで知られている小腸吸収上皮細胞や肝実質細胞以外に刷子細胞にも特異的に発現されることが明らかになるとともに、消化管の刷子細胞が周囲のL-FABP陰性の上皮細胞とは異なる独立した細胞種であることが確認された。
L-FABPへの免疫反応性をマ-カ-とした形態学的研究により、まずラット胃における刷子細胞の分布(噴門部での集団的出現など)や上皮内での位置(胃小窩部への局在)等が明らかにされた。またその形態についても、細胞基底部の突起の存在が新たに発見されたほか、内分泌様顆粒が存在しないことも確認された。胃における刷子細胞の個体発生については、乳飲みの時期の終わる生後第3週に刷子細胞の数が急激に増加することが解明された。なお、免疫組織化学的研究と平行してL-FABPの遺伝子プロ-ブを用いたin situハイブリダイゼ-ション法によるmRNAの検出の技術をも確立したが、現在のところ刷子細胞におけるL-FABPのmRNAの検出には成功していない。
刷子細胞の機能に関しては、消化管および血中からの脂肪酸の吸収作用を予想して、放射性ラベルした脂肪酸を投与してみたが、刷子細胞への取り込みは見られず、刷子細胞におけるL-FABPの役割は小腸や肝臓で想定されているものとは異なる可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Iseki,S.,Kondo,H.: "Specific localization of hepatic fatty acid-binding protein in the gastric brush cells of rats" Cell and Tissue Research. 257. 545-548 (1989)

  • [文献書誌] Iseki,S.,Kondo,H.: "An immunocytochemical study on the occurrence of liver fatty-acid-binding protein in the digestive organs of rats:specific localization in the D cells and brush cells" Acta Anatomica. (1990)

  • [文献書誌] Iseki,S.,Kanda,T.,Hitomi,M.,Ono,T.: "Ontogenic occurrence of three fatty acid binding proteins in the rat stomach" Anatomical Record.

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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