加重力環境下の実験動物としてゴ-ルデン・ハムスタ-7群の実験群に分けた。それぞれの実験群には無処置の対照群を設けた。 生後5日(1群)、10日(2群)、20日(3群)、1ヵ月(4群)、3ヵ月(5群)、8ヵ月(6群)および14ヵ月(7群)の加重力環境下群と各対照群の上皮小体を電子顕微鏡的に観察して電顕写真上で形態計測を行った。 結果と考察:血清カルシウム値はすべての群において有意差は見られない。 1群、2群、3群、4群および5群においてゴルジ装置は対照群に比して有意に増加するが、6群および7群においては有意差は見られない。この結果は、先に報告した、加重力環境下における成熟ハムスタ-上皮小体の変化と一致する。さらに、今回の実験によりの加重力によるゴルジ装置の増加は幼若および成熟ハムスタ-において生ずるが、老齢ハムスタ-では増加しないことが明らかになった。また、4群においては脂質滴は有意に減少する。生後1ヵ月ハムスタ-上皮小体において脂質滴が、他の時期に比して増加を示すことはすでに報告した。今回の実験結果も先の報告と同様、4群の対照群において他の時期の対照群に比して脂質滴の増加を認めた。この増加時期において、加重力により脂質滴が有意に減少することは興味ある。今後脂質滴の細胞内における役割を解明しなくてはならない。平成2年度には出生前後および産褥ハムスタ-の上皮小体について検討する。
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