研究課題/領域番号 |
01570020
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
清木 勘治 東海大学, 医学部, 教授 (40055934)
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研究分担者 |
花本 秀子 東海大学, 医学部, 助手 (50156824)
坂部 貢 東海大学, 医学部, 講師 (70162302)
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キーワード | マウス胸腺 / 性ホルモン / 性ホルモンレセプタ- / 胸腺ホルモン / 胸腺細胞 / 胸腺上皮 |
研究概要 |
妊娠中や性ホルモン(SH)投与により胸腺が退縮することはよく知られており、SHが胸腺機能に作用しているのは明らかである。そこで、マウス胸腺T細胞の分化にSHがどう影響しているか、胸腺ホルモン(FTS)を仲介にして検討した。 方法と結果:動物は7週令雌マウスを用い、卵巣摘出ののち、エストロゲン(E)またはFTSを投与して、胸腺を採集した。(1)まず胸腺組織中のSHレセプタ-をスキャチャ-ド プロット分析で調べてみると、ラット同様にEおよびプロゲステロン(P)に対するレセプタ-の存在が明らかになった。(2)免疫組織化学的に、EおよびPレセプタ-とFTSを染めてみると、胸腺上皮にE,Pレセプタ-とFTSが同時に局在するのがわかった。(3)EおよびFTSの胸腺T細胞分化への関与をFACScanで分析してみると、E投与で未熟な二重染色される細胞が減少し、ヘルパ-T細胞が増加すること、一方FTS投与によりヘルパ-T細胞が有意に増加することがわかった。 結論:以上のことから、(1)マウス胸腺には、ラット同様にSHに対するレセプタ-が存在し、そのうちEレセプタ-はFTSとともに胸腺上皮に局在する。(2)EおよびFTSはT細胞の分化に関与し、そのうちでも特にヘルパ-T細胞の分化に大きく影響する。(3)これらは、SH、特にEが胸腺上皮内のレセプタ-を介して胸腺ホルモンの産生・放出を調節し、ひいてはT細胞の分化・増殖に深く関わっていることを示唆するものである。
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