研究概要 |
鶏の下肢筋群の各々にコレラトキシン抱合ワサビペルオキシダ-ゼ(CHRP)を注入し、筋を支配する運動ニュ-ロンプ-ル(MNP)を逆行性に標識し、胞体と樹状突起の形態を観察した。特に樹状突起はその末端まで、例えば側索に侵入した突起は軟膜直下にまで至る像が観察できた。これによりこれまで出来なかったMNP全体としての樹状突起分布、即ち樹状突起構築学的解析が可能になった。後脛骨筋のMNPはLSの1ー4に分布し、樹状突起は全方向に伸びている。そのうち後内側方に向うものは後角の基部にまで至り、側索へのものは軟膜にまで達していた。内側方向へ向う樹状突起は内側運動核にまで達していた。大胆脛筋を支配するMNPの樹状突起の分布は後脛骨筋の分布とほぼ合じであるが、MNPはLSIー3にあった。CtiofibulorisとCaudilioflexoriusのMNPはそれぞれLS4ー7,6ー8にあるが、これら2つのMNPの樹状突起分布は特徴的であった。即ち二つの主要な樹状突起群は前角の背側、腹側縁に沿って伸び、樹状突起の大部分は白質内に分布していた。こうした各々のMNPに特徴的な樹状突起の分布は、それぞれのMNPに入力する線維群によって規定されることが考えられるので、この点について現在接樹状突起の終る例について検討を行っている。
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