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1990 年度 実績報告書

低酸素による呼吸抑制の中枢機序に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 01570039
研究機関千葉大学

研究代表者

福田 康一郎  千葉大学, 医学部, 助教助 (10009649)

キーワード低酸素 / 呼吸抑制 / 血圧 / 交感神経活動 / 心拍出量 / 酸素消費量 / 呼吸中枢 / 末梢化学受容器
研究概要

1.前年度の研究から低酸素時の血圧低下が呼吸抑制を増強することが明らかになったので,低酸素による血圧低下の機序,心拍出量の変化などを調べた。実験は全てハロタン麻酔ラットを用いた。呼吸抑制の出現に先行して腎交感神経活動の減少,心拍数と血圧の低下が認められた。両側迷走神経切断後では交感神経活動は低酸素時に増加し、血圧の低下も軽度であった。従って低酸素時の交感神経活動変化と血圧変化は、肺迷走神経求心性活動に依存すると判断された。迷走神経存在下には低酸素による交感神経活動の減少と低酸素による直接的な血管拡張が加算され著しい血圧をもたらす。これが呼吸抑制の発生を増強すると結論できた。空気呼吸時には酸素消費量は心拍出量または酸素運搬量に影響されずにほゞ一定である。しかし低酸素時は心拍出量,酸素運搬量,酸素消費量とも減少する。しかも酸素消費量は心拍出量または酸素運搬量の減少に直接的に比例して減少した。すなわち低酸素時には酸素運搬量が減少することによって酸素消費を低下させると考えられた。
2.低酸素時には呼吸抑制と共に酸素運搬量減少による酸素消費量の低下が認められた。低酸素時に換気血を増加させ低酸素血症を改善することが可能ならば好気的代謝の維持は可能と考えられる。しかし低酸素が著しい場合にはこの可能性は少なくなる。従って酸素消費量を減少させるほうが生体にとって有利である。強い低酸素時の酸素消費量の減少と呼吸抑制は低酸素に対処する生体反応の一つと見ることができる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Tojima,H.,Kuriyama,T.Fukuda,Y.: "Differential respiratory effects of HCO_3^ー and CO_2 applied on the ventral medullary surface of the rat." Journal of Applied Physiology. (1991)

  • [文献書誌] Fukuda,Y.: "Hypoxic inhibition of respiratory neural regulation in the rat" Neuroscience Research. (1991)

  • [文献書誌] 丸山 良子,福田 康一郎: "Annaal Review 呼吸器1990(太田,諏訪,堀江,吉村編)" 中外医学社, 292 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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