研究課題/領域番号 |
01570042
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研究機関 | 山梨医科大学 |
研究代表者 |
竹内 亨 山梨医科大学, 医学部, 教授 (00020727)
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研究分担者 |
堀内 城司 山梨医科大学, 医学部, 助手 (40181523)
寺田 信幸 山梨医科大学, 医学部, 助手 (90155466)
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キーワード | 脳血流量制御 / 延髄血流量 / 延髄組織PO_2 / 延髄組織PCO_2 / 脳虚血性昇圧因子 / 延髄の代償性血流調節 |
研究概要 |
ウレタン麻酔のウサギを不動化し、人工呼吸を行い、下記の結果を得た。 1.血流量自動制御装置を用い、内頸動脈血流量を対照値から8、6、4、3、2、1、0ml/minと段階的に減少させていった時の、吻側延髄腹外側野の血流量、組織PO_2、PCO_2を腎神経活動、内頸動脈圧、体血圧と共に連続記録した。延髄血流量は内頸動脈血流量が11.8±1.2(SE)ml/min(対照値)から4ml/minにまで減少した時に初めて有意に低下し、これ以下では内頸動脈血流量の低下に伴って減少した。延髄血流量の減少に伴って延髄組織PO_2は減少し、組織PCO_2は増加した。このPCO_2の増加は1ml/minの内頸動脈血流量において最高値に達した。内頸動脈血流量減少に伴う延髄血流量の維持能力は大脳皮質のそれとほぼ等しかった。 2.延髄血流量は2%CO_2、5%CO_2気体、あるいは8%O_2気体吸入により増加し、90%O_2気体吸入により減少した。脳血流を減少させると速やかにこうした効果は消失した。 3.上記1の実験に8%O_2、90%O_2、2%CO_2、5%CO_2気体の吸入を組合わせた結果、脳虚血に基づく交感神経活動および体血圧の増加は8%O_2気体吸入によって著明に増大し、90%O_2気体吸入によって強く抑制された。しかし、2%CO_2あるいは5%CO_2気体吸入によっては全く影響をうけなかった。室内空気吸入時に1分間脳血流を完全に遮断した時に現われる延髄組織PCO_2の上昇値は、2%CO_2気体吸入時の延髄組織PCO_2の上昇値より少なかった。脳潅流圧増減の脳虚血性昇圧反応に対する効果も殆ど認められなかった。 脳虚血によって起こる著名な交感神経活動の増加は、圧倒的に低O_2に基づいて起こり、高CO_2あるいは潅流圧の低下によっては影響をうけないという結論が得られた。
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