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1991 年度 実績報告書

ミトコンドリア脂肪酸β酸化系における反応機構の分子論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 01570046
研究機関熊本大学

研究代表者

二科 安三  熊本大学, 医学部, 助教授 (50112553)

研究分担者 佐藤 恭介  熊本大学, 医学部, 助手 (80205905)
志賀 潔  熊本大学, 医学部, 教授 (40028527)
キーワードフラビン蛋白 / ラマンスペクトル / アシル-CoA
研究概要

ブタ腎の中鎖アシルーCoAデヒドロゲナ-ゼのacetoacetylーCoAとの複合体および基質であるoctanoylーCoAとの反応で生じるpurple complexの性質を共鳴ラマン分光法を用いて調べた。同位体置換したFADで再構成した酵素および同位体置換したacetoacetylーCoA、octanoylーCoAを用いて共鳴ラマンスペクトルを測定した。バンド位置と同位体シフトから、ラマンバンドの帰属を行い、構造を考察した。本酵素は基質類似体acetoacetylーCoAと複合体を形成すると、550nmあたりに極大をもつブロ-ドな吸収帯を生じる。この吸収帯を632.8nmの光で励起すると、酸化型フラビンおよびacetoacetylーCoAに由来するラマンバンドが観測された。この結果はこの吸収帯が酸化型フラビンとacetoacetylーCoAとの電荷移動吸収帯であることを示している。1,622cm^<-1>のバンドはacetoacetylーCoAのエノラ-ト型のC(3)=0伸縮とC(2)ーH bendingの混じったバンドであり、1,483と1,119cm^<-1>のバンドはC(2)=C(1)ー0^-の領域に関係している。octanoylーCoAとの反応で生じるpurple complexを632.8nmの光で励起すると、還元型フラビンおよび基質由来のバンドが観測された。この結果はpurple complexが還元型酵素と基質が反応して生じたoctenoylーCoAとの電荷移動複合体であることを示している。1577cm^<-1>のバンドはcotenoylーCoAのC(2)ーC(1)=0の領域に関係している。両複合体とも、結合したリガンドの構造はC(2)=C(1)ー0^-のかたちをした共鳴構造が大きな寄与をしたものになっている。これはC(1)=0の酸素原子付近に正電荷やdipoleなどの求電子基が存在し、カルボニル基と静電相互作用をする結果と考えられる。この静電相互作用は触媒反応においても重要で、基示のC(2)ーHのpKを下げるはたらきをし、反応初期におこるC(2)ーHからのプロトン引き抜きを容易にしているものと考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] H.Suzuki: "A resonance Raman study on a reaction intermediate of Pseudomonas Lーphenylalanine oxidase(decmihatiny and decarboxylating)" J.Biochem.110. 169-172 (1991)

  • [文献書誌] K.Sato: "Anionーinduced conformational change of apoーelectronーtransferring flavoprotein" J.Biochem.

  • [文献書誌] Y.Nishina: "Resonance Raman study on complexes of mediumーchain acylーCoA dehydrogenase" J.Biochem.

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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