研究課題
1.血漿中コロニ-形成抑制因子測定法の確立:測定法として、十分量Epo存在下での一定量血漿添加による赤血球系コロニ-形成抑制%の測定と、一定量Epo存在下でコロニ-形成50%抑制に要する血漿量を求める方法を検討した。その結果、(1)マウス、ラット血漿とも、用量依存的にコロニ-形成抑制作用を示すこと、(2)上記両法とも、抑制因子測定法として有用であるが、簡便性、再現性の点からみて第一法が実用的であるとの結論に達した。2.血漿中コロニ-抑制因子除去法の確立:上記の抑制因子測定法を用い、数種の血漿処理法につきその有用性を比較検討した。その結果、(1)マウス血漿ではクロロフォルム処理ー透析法が、(2)ラット血漿では透析法がそれぞれ最も有用である、との結論をえた。3.Gentamicin投与による腎傷害とEpo生成に対する影響の検討:ラットにつき、(1)Epo生成:低圧ハイポキシア(0.35atm)負荷時のEpo生成は、Gentamicin投与(33.8〜67.5mg/Kg)により用量依存的に著じるしく阻害された。また、投与中止後、時間経過に伴ってEpo生成能の回復がみられた。なお、ハイポキシア負荷時のEpo生成ピ-クは6h後にみられ、マウスの場合(48〜72h後)に比し著じるしく早期に観察された。(2)腎組織傷害:Gentamicin投与により、腎組織の近位曲尿細管部に限局して用量依存的に傷害(溷濁腫脹〜細胞壊孔)がみられ、ハイポキシア負荷によりさらに傷害の増悪が認められた。また、投与中止後、時間経過につれ組織傷害に回復がみられた。なお、ハイポキシア単独では、腎組織傷害はみられなかった。以上(1)、(2)の結果は、近位曲尿細菅部域とEpo生成との密接な関連を示唆する。
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