研究課題/領域番号 |
01570053
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研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
二宮 石雄 国立循環器病センター研究所, 心臓生理部, 部長 (80033976)
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研究分担者 |
西浦 直亀 国立循環器病センター研究所, 心臓生理部, 室員 (70132933)
秋山 剛 国立循環器病センター研究所, 心臓生理部, 室員 (70202554)
白井 幹康 国立循環器病センター研究所, 心臓生理部, 室長 (70162758)
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キーワード | 冠循環 / 軟X線TVシステム / 冠動脈内径 / 神経性調節 / 冠周囲神経活動 |
研究概要 |
冠循環の神経性調節を解明するため、前年度に引き続き2方向より、新しい技術の開発とその改良にとりかかった。 1.麻酔・開胸下の露出心臓における冠動脈内経の軟X線による計測法の開発と確立.時間分解能が3ミリ秒に、空間分解能が20μに設計され、開発した新しい軟X線TVシステムの特性について検討した。前年度,モデル(ファントム)実験では設計通りの性能が得られることを確認したので、直接ネンブタ-ル麻酔下のネコを用い、左側開胸後心臓表面を露出し、左前下行枝の造影を試みた。この造影技術は予想していた通り極めて困難で、経験によっても成功率の上昇が低い。その第1は、冠動脈口径が1mm以下と非常に細く、透視下で冠カテ-テルを選択的に操入出来ない。出来た例でも局所に虚血が発生し、2次的に生理的條件から病的條件へと移行した。その第2は、造影剤の冠血管及び心筋への直接作用を軽減するために、小量の造影剤を用いるとネコの心臓表面の収縮に伴う血管移動が大きくかつ速いため充分な分解能を得ることが出来ない。造影剤の注入量と注入速度を色々と組合せて実験を繰返しているが、前年度に到達した内径300μより更に小さい冠動脈の造影は出来るが、その信頼性が低いことを知った。そこで、動物をラットか犬に変えることを検討中である。 2.前下行枝冠動脈に沿って走っている冠周囲神経束を分離し、その中枢切断端から交感神経活動を記録する技術の確立を前年度に引き続き継続した。ネコで、上行大動脈と肺動脈の中間部で、左冠動脈開口部に比較的太い神経を発見出来たので、これについて検討中である。 3.軟X線TVシステムの時間分解能を約3倍増加する(1ミリ秒)こと並びにX線画像処理ソフトの改良を行った。
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