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1990 年度 実績報告書

呼吸リズム形成ニュ-ロンの同定とリズム形成機序のイオンチャンネルレベルでの解析

研究課題

研究課題/領域番号 01570061
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

鈴江 俊彦  東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (40143565)

キーワード呼吸 / 脳幹 / ラット / リズム形成
研究概要

呼吸リズム形成にも最も基本的にニュ-ロン群の諸性質について、ラット脳幹脊髄in vitro標本法を用い、電気生理学的手法で検討した。また、呼吸リズム形成の発生学的な起源にアプロ-チする方法として、ラット妊娠後期胎仔をin vitroで生存させる方法の開発を行った。摘出脳幹脊髄標本で、カルシウムイオン濃度を種々変化させた条件で、電気刺激によるリズムのリセットを検討することにより見いだされる呼吸リズムの形成に関与しているとみられる延髄腹外側部のニュ-ロン群の性質について検討した。従来からシナプス伝達を遮断する条件として用いられてきたカルシウム0.2mMマグネシウム5mMという条件ではシナプスの遮断が不完全であることが明らかになった。またこの場合にも、左右両側の呼吸リズムの解離が見られた。このことは、両側のリズムが、不完全なシナプス伝達の遮断で容易に解離しうることを意味し、逆に両側リズムの解離が完全なシナプス遮断の証拠となりえないことを意味するので、従来えられている知見についての解釈をより一層慎重にする必要があることを示唆している。また、中枢神経系の主要な興奮性伝達物質であるグルタミン酸に対する拮抗薬である、CNQX、キヌレイン酸、APVの呼吸リズム形成に対する作用を調べたところ、予想に反してこれらの拮抗薬は、むしろ呼吸頻度の顕著な低下を引き起こすという結果が得られた。このことから呼吸リズム形成の機序についての有力な説であるペ-スメ-カ-仮説、すわわち呼吸の基本的なリズムがそれ自体単独でリズムを形成し得る性質を持つニュ-ロンによって形成されているという単純な仮説で説明するのは難しいと考えられ、むしろ、興奮性伝達物質としてのグルタミン酸がアクティブな形でリズム形成に関与している可能性について検討することが必要であることが明らかになった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Suzue,T.: "An in vitro transplacental perfusion method for the maintenance of physiological activities of late gestation rodent fetuses." Neuroscience Research. (1991)

  • [文献書誌] Suzue,T.: "Rat fetus in late gestation in vitro:Its physiology and pharmacology." Japanese J.Pharmacology. (1991)

  • [文献書誌] Suzue,T.: "A monoclonal antibody that define rostrocaudal position in the mammalian nervous system." Neuron. 5. 421-431 (1991)

  • [文献書誌] Suzue,T.: "Rat fetus in late gestation can be kept in vitro." Proceedings of the Japan Academy.66B. 177-181 (1991)

  • [文献書誌] Suzue,T.: "Physiological activities of rat and mouse fetus maintained in vitro" Japanese Journal of Physiology. 40. s216 (1990)

  • [文献書誌] Kaprielian,Z.: "Biochemical Characterization of the ROCAl antigen." Society for Neuroscience Abstracts.16. 151 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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