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1990 年度 実績報告書

八千毒を用いた海馬長期増強機構の分子生物学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 01570064
研究機関大阪大学

研究代表者

池中 一裕  大阪大学, たんぱく質研究所, 助教授 (00144527)

研究分担者 相本 三郎  大阪大学, 蛋白質研究所, 助教授 (80029967)
キーワードMCDペプチド / 海馬 / 長期増強 / カリウムチャンネル / GTP結合蛋白
研究概要

ハチ毒MCDペプチドは海馬CAl領域で長期増強(LTP)様の作用を引き起こすことが知られているが、われわれもMCDを合成し、そのことを確認している。その機構としてMCDが脳内にある種のKーチャンネルと結合することが考えられているが、われわれは今回MCDにはこの他にも肥満細胞においてGTP結合蛋白の活性化させること、またそのものでイオンチャンネルを形成する能力が存在することを見いだした。すなわち、ラットの肥満細胞のカルシウム濃度を細胞に取り込ませたFura2により測定するとMCD投与により上昇した。また、この上昇は百日咳毒素処理により抑制された。
さらに、MCDの誘導体や類似のペプチドを調整し、どの活性がLTP誘導能に最も深く関与しているのかを検討した。MCDと同じくハチ毒であるアパミンはやはりそのもの自身でイオンチャンネル形成能を有した。またMCDの全構成アミノ酸をD体に置換した光学異性体はGTP結合蛋白を活性化したが、これらの物質はLTPを誘導しなかった。へび毒デンドロトキシンはMCDと同じ脳内結合部位と結合し、かつLTPを誘導することができた。以上の結果はMCDの種々の活性のうち、脳内高親和性結合部位であるKーチャンネルへの結合がLTP誘導に必須であることを示している。しかし、LTPを誘導する全ての物質はGTP結合蛋白を活性化したのでGTP結合蛋白の活性化がLTP誘導に不要かどうか明かにすることはできなかった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Tetsuro Kondo: "Longーterm enhancement of synaptic transmission by synthetic mastcell degranulating peptide an dits localization of binding sites in hippocampus" Neuroscience Research. 8. 147-157 (1990)

  • [文献書誌] Yuji Kobayashi: "A New αーHelical Motif in Membrane Active Peptides" Neurochemistry International.

  • [文献書誌] 池中 一裕: "LTPにおけるペプチドの作用ーハチ毒McDペプチドを中心にー" 生体の科学. 41. 473-476 (1990)

  • [文献書誌] 池中 一裕: "長期増強誘導物質" 実験医学. 8. 1546-1552 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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