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1989 年度 実績報告書

心室筋Naチャンネルの代謝性制御に関する生理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 01570065
研究機関広島大学

研究代表者

瀬山 一正  広島大学, 医学部, 教授 (70034006)

キーワードNaチャンネル / オイル隔絶膜電位固定法
研究概要

近年、各種興奮性細胞の単離方法、及び膜電位固定法の改良により、Naチャンネルの性質について多くの報告が行われているが、A-kinase系を介するNaチャンネルの代謝性制御機構については、結論に到っていない。そこで我々は、オイル隔絶膜電位固定法を用いて単一蛙心室筋のNaチャンネルについて上記制御機構の有無について検討を行った。この検討を行う際、Naチャンネル活動の安定性、特に不活性化曲線が一定であることが必要であるが、同方法では約20分間安定してNa電流の記録が可能であると確認されているので、この時間内に各種薬剤の投与実験を行った。まず、Na電流を単離した条件下で、保持電位=100mVにおける膜電位0mVでのNa電流を指標として、各10μMのB刺激剤(Isoproterenal以下ISP),Histamine,A-Kinase系を直接刺激するForskolinを細胞外に灌流したところ、Na電流の最大値、及び下降相の時定数は、共に変化が認められなかった。また、不活性化曲線についても、1/2不活性化電位の変化は、3mV以下であり、薬剤による効果はないと考えられた。ところで、この実験系においてA-kinase系代謝機構が正常であるか否か確認するために、1.8mMのCa外液を用いて、単離Ca電流の(TTX使用)及びNa電流,Ca電流同時記録により、10μMのISP灌流を行った。保持電位-80mVにおける膜電位の0mVでのCa電流は、ISPにより電流最大値が約4倍に増大した。また、両電流同時記録においても、Ca電流成分は2.5〜5倍と増大するのに対し、Na電流の最大値はほぼ一定の値を示した。以上から、この実験系においては、蛙心室筋細胞のNaチャンネルは、A-Kinase系の代謝制御は受けていないか、あるいはCaチャンネルの制御とは異なる機構が存在しているのではないかと考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] H.Miyoshi,K.Yamaoka & I.Seyama: "Characteristics of sodium channel kinetics in the frog ventricular cell." Excerpta Medica Current Clinical Practice series. 56. 15-24 (1989)

  • [文献書誌] H.Miyoshi,M.Yakehiro,A.Fujiwara & I.Seyama: "Characterization of the Inactivation Process of the Sodium Channel in Frog Ventricular Cells" Hiroshima J.Med.Sci. 37. 139-143 (1988)

  • [文献書誌] H.Miyoshi & I.Seyama: "An Investigation on the Inactivation Process of Sodium Currents in Single Frog Ventricular Cells." Japanese Journal of Physiology. 39. 371-383 (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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