研究課題/領域番号 |
01570083
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研究機関 | 神戸女子大学 |
研究代表者 |
平田 耕造 神戸女子大学, 家政学部, 助教授 (70110624)
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研究分担者 |
紫藤 治 金沢大学, 医学部, 講師 (40175386)
湯谷 操 神戸女子大学, 家政学部, 助教授
増田 芽子 神戸女子大学, 家政学部, 教授 (20087919)
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キーワード | 体温調節 / 血圧調節 / 動静脈吻合(AVA) / 熱放散量 / 表在性皮静脈 / 食道温 / 皮膚血流量 / 運動 |
研究概要 |
ヒトの四肢末端には動静脈吻合(AVA)が豊富に存在し、その開大時には手や足からの熱放散量が増加するばかりでなく、AVAを通過した血液は腕や脚の表在性皮静脈を流れる際、その部の皮膚温を上昇させて熱放散量を増加させる。AVAの動態は四肢全体からの熱放散量を調節する。(目的)本研究ではAVAの存在する手指の血管拡張が体温および、血圧調節に如何に関与するか検討することを目的とした。(方法)被験者はショ-ツのみ着用の健康な成人男性8名。室温20℃、相対湿度40%に調節された人工気象室で、30分間半仰臥位で安静の後、25分間の下肢運動を行ない、再び20分間の安静をとった。運動開始15分より実験終了まで30分間、33.3kPaの圧力で両手首をカフ加圧し手指への血流を遮断した。対照は加圧なしとした。この間、食堂温(Tes)、全身7点の皮膚温(Tsk)、レ-ザ-・ドップラ-血流計による胸部の皮膚血流量(LDF)、カプセル法による局所発汗量(Msw)、最高/最低血圧から産出した平均血圧(MAP)、および心拍数(HR)を測定した。(結果と考察)カフ加圧により血流が遮断された指ばかりでなく、腕のTsk上昇も完全に抑制された。一方、前額、胸部、大腿、足ではTskが対照より高く上昇したにもかかわらず、Tesは対照より高値を維持した。これは胸部のLDFが対照より有意に増加したことから、皮膚血管の拡張によるものである。MAPは運動中、カフ加圧により有意に低下したが、HRは変化しなかった。MAPの低下は手指血流量の増加抑制に対して、他部位の皮膚血管が代償性に拡張したため、総末梢抵抗の減少により生じたものと推察された。この結果、四肢末端に存在するAVA血管の拡張は、四肢近接部位の表在性静脈還流を介して熱放散量を増加することができ、血圧の低下を生ずることなく体温調節を行なうために重要であるとの結論を得た。
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