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感染や傷害に際して、生体は自己防衛的に働く種々の反応を呈する。これらをひとまとめにして、急性相反応(APR)と呼んでいる。そしてこれらの諸反応は単核球で合成されたinterleukin-1(IL-1)が直接各臓器に働いて、発現するものと解されている。しかし、このII-1を脳室内に直接微量投与してもAPRが発現していることから、APRの発現は神経性にも調節されている可能性が示唆されている。
本研究は、APR出現に関与する中枢神経部位を検索する目的で行なわれた。実験には家兎を用いた。家兎の異なる40個所の脳部位に、IL-1投与のためのカニュ-レを慢性的に植込む手術を行なった。このカニュ-レを介して、ヒト・リコンビナントIL-1を新規に購入したオ-トインジェクタ-(エイコム社)にて微量投与し、発熱反応や急性相反応の出現の有無を検討し、次のような結果が得られた。
1.発熱反応は視束前野や視床下部前部で最もよく観察された。
2.急性相反応は、視床下部にIL-1を投与した際出現するが、発熱と同様に、視床下部の前部で最もよく観察された。
これらの結果より、発熱や急性相反応は視床下部内にIL-1を投与しても出現し、さらに、これらの反応の出現部位は、視床下部の前部に限局していることが分った。この結果に基づき、計画通り電気刺激の実験を行う準備を始めている。
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