研究課題/領域番号 |
01570100
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
鶴見 介登 岐阜大学, 医学部, 教授 (60021359)
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研究分担者 |
能瀬 高志 岐阜大学, 医学部, 助手 (90180744)
丹羽 雅之 岐阜大学, 医学部, 助手 (40156146)
野崎 正勝 岐阜大学, 医学部, 助教授 (30021380)
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キーワード | 多形核白血球 / 細胞内遊離カルシウム / 活性酸素 / 遊走刺激 / オピオイド受容体 / カッパオピオイド / 遅発性神経壊死 |
研究概要 |
白血球にオピオイド受容体が存在する意義についての詳細は未だ明らかではないが、in vivoの実験系でオピオイドが白血球機能を抑制することや、臨床的に慢性麻薬中毒患者が免疫能抑制症状を呈することなどから、オピオイドか何からの形で白血球機能の修飾作用を有してしる可能性が高い。また、オピオイドの作用機序にCa^<2+>が関与することは、以前から指摘されている。PMNs遊走刺激などによる活性化に際して〔Ca^<2+>〕i上昇を伴う脱顆粒生じるが、その経過は神経細胞における二次伝達物質放出に類似している。そこで、オピオイド受容体とCa^<2+>channelの両者を有する細胞モデルとしてPMNsに注目し、受容体タイプ選択性を持つオピオイドを用いてラット腹腔より得たPMNsのCa^<2+>fluxに対する作用および活性酸素産生に対する作用を検討した。μ-オピオイドはA-23187誘発Ca^<2+>influxを抑制したが、モルヒネはf-MLP誘発Ca^<2+>influxを抑制しなかった。μ-オピオイドのU-50488Hはいずれの刺激に対しても抑制作用を示した。しかし、作用濃度は、通常、オピオイドが受容体依存性作用を示す濃度に比較して高く、ナロキソン拮抗が認められなかったことからも、オピオイドによるPMNsCa^<2+>flux抑制作用は、オピオイド受容体関与の反応とは考え難い。細胞外Ca^<2+>非存在下では、U-50488Hは強いCa^<2+>efflux抑制を示し、f-MLP受容体から細胞内Ca^<2+>貯蔵部位までの情報伝達機構に対して選択的な阻害作用を有することが示唆された。このことは、κ-受容体の特殊性を示唆するとともに、κ-リガンドによる虚血一再灌流後の遅発性神経脱落に対する予防作用発現機序の一つとなたうる可能性がある。U-50488Hは細胞内遊離Ca^<2+>を低下させるが遊走刺激による活性酸素産生を増強した。この矛盾する成績について現在さらに検討中である
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