研究課題/領域番号 |
01570125
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡辺 毅 東京大学, 医学部第一内科, 助手 (80158641)
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研究分担者 |
寺本 民生 東京大学, 医学部第一内科, 助手 (20133077)
清水 孝雄 東京大学, 医学部栄養学, 助教授 (80127092)
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キーワード | ロイコトリエンD_4 / モルモット肺 / 受容体 / GTP結合蛋白 |
研究概要 |
ロイコトリエン(LT)D_4はいわゆるslow-reacting substance of anaphylaxis(SRS-A)として喘息その他の病態に於けるメディエイタ-として重要な役割を果たしている。その作用機能に関しては、肺由来の細胞膜にはLTD_4に特異的な高親和性の結合部位特異的受容体の存在知られている。本研究の目的は、今まで成功していない受容体蛋白の精製しその性質を明らかにすること、または受容体蛋白をコ-ドするcDNAの単離を行うことを目的にしている。 (1)肺LTD_4受容体蛋白の生化学的追求 モルモット肺の膜分画よりさまざまの界面活性化剤を用いて活性の可溶化を試みた結果、CHAPSを用いて効率よく活性型のまま可溶化に成功した。この可溶化蛋白はカラムクロマトにより部分精製され、受容体蛋白は分子量約7万の糖蛋白であることが判明した。また、百日咳毒素を用いて解析により、この受容体が百日咳毒素感受性のGTP結合蛋白と連関していることが証明され、その情報伝達機構に関していくつかの新知見を得た(研究発表文献参照)。 (2)発現系を用いた受容体蛋白cDNAのクロ-ニング モルモット肺より抽出したmRNAより作製したcDNAをλベクタ-に組み込みcDNAライブラリ-を作製した。アフリカツメガエル卵母細胞にライブラリ-より転写したmRNAを注入しLTD_4に反応するCa^<2+>依存性のCl電流をvoltage clamp法にて感知した。これから、この系を用いてスクリ-ニングを開始する予定である。 以上、受容体蛋白の生化学的研究としては連関するGTP結合蛋白とその蛋白の性質について新知見を得た。しかし、可溶化受容体蛋白は不安定で現在のところカラムクロマトの連続的使用に耐えない。従って、第二の遺伝子工学的方法に重点をおいて研究を進めて行く予定である。
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