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1989 年度 実績報告書

細胞のCa^<2+>動員におけるイノシト-ルリン酸の役割解明

研究課題

研究課題/領域番号 01570139
研究機関九州大学

研究代表者

平田 雅人  九州大学, 歯学部, 助教授 (60136471)

キーワードIP_3アナログ / IP_3ホスファタ-ゼ / IP_3キナ-ゼ / IP_3受容体 / Caイオン / IP_3親和性カラム
研究概要

イノシト-ル1、4、5-三リン酸(IP_3)による細胞内Ca^<2+>放出機構解明を目指し、イノシト-ル環2位の水酸基に種々の置換基を付与した一連のIP_3アナログを合成した。IP_3認識蛋白に対するこれらのIP_3アナログの影響を以下の如く検討した。
1.赤血球ゴ-ストのIP_35-ホスファタ-ゼによるIP_3からIP_2への加水分解はIP_3アナログにより濃度依存性に抑制された。IP_3のKi値が14μMであるのに対しIP_3アナログは2〜6μMであり、IP_3よりむしろ高親和で認識されることを示唆する。
2.脳可溶性分画のIP_33-キナ-ゼによるIP_4へのリン酸化もIP_3アナログは濃度依存性に抑制した。この際、IP_3より3〜30倍高濃度を要した。しかしCa^<2+>濃度を下げて同様のアッセイを行なうと、より低濃度のIP_3アナログで有効であった。
3.小脳や副腎皮質ミクロソ-ム分画の〔^3H〕IP_3結合もIP_3アナログはIP_3より数倍の濃度を必要とするものの濃度依存性に抑制した。また、IP_3アナログは小胞体からのCa^<2+>放出作用も保持していた。
これらの結果は、IP_3アナログはいずれのIP_3認識蛋白によっても良く認識されることを示す。したがってイノシト-ル環2位の置換基を介して他分子に結合せしめ、IP_3誘導体として用いることが可能である。一例として、置換基を介してセファロ-ズに結合させることによりIP_3親和性カラムを作製した。他に蛍光性IP_3、膜透過性IP_3、蛋白キャリア-を結合したIP_3等も有用であると考えられ、今後の展開が期待できる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Masato Hirata: "Synthetic inositol trisphosphate analogs and their effects on phosphatase,kinase and the release of Ca^<2+>." Journal of Biological Chemistry. 264. 20303-20308 (1989)

  • [文献書誌] Masato Hirata: "Inositol 1,4,5-trisphosphate affinity chromatography" Biochemical and Biophysical Research Communications.

  • [文献書誌] Masato Hirata: "Stereospecific recognition of inositol 1,4,5-trisphosphate analogs by the phosphatase,kinase and binding proteins." Journal of Biological Chemistry.

  • [文献書誌] Yuichi Kimura: "Ca^<2+>/calmodulin independent inositol 1,4,5-trisphosphate 3-kinase activity in guinea pig peritoneal macrophages."

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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