X線照射またはグルココルチコイドによる胸腺細胞死は、先づ核染色質の破壊がみられるapopeosisでありタンパク質合成阻害剤によりこの現像が制されるので、X線またはグルココルチコイドにより誘導されるタンパン質、あるいはそのタンパク質合成に関与するRNAの分離と固定を試みた。 (1)X線破照射細胞のポリAーRNAから作成したCDNAライブラリ-から、RNAポリメラ-ゼを使い転写したRNAをアフリカツメガエルに注入して細胞死をひき起すRNAを得たが、これらのRNAを胸腺細胞に注入しても必ずしも細胞死を起こさなかった。胸腺細胞を用いてアポブト-シスを起すRNAをスクリ-ニングする方法の開発を試みた。胸腺細胞へのRNAへの効果的な注入法を種々の方法で試みた結果、短時間で終了し温度や塩濃度の変化が少く多数の細胞を処理できることからエレクトロポ-レションが他の方法により優れていた。細胞死の早期判定には通常用いられる色素取り込み法はアポプト-シスには適用できず細胞体積の測定または細胞を低融点アガロ-ス内でミニゲル電気泳動を行い染色体の切断を蛍光で検出する方法が一番確実であった。これらの方法を用いて細胞障害性RNAの再スクリ-ニングを行っている。 (2)X線照射とグルココルチコイド添加のどちらでででも共通に誘導されるタンパン質を二次元電気泳動でコントロ-ル胸腺胞抽出派と比較検討した。 pH5から中性・アルカリ性の等電点電気泳動を用いた場合は誘導されねタンパク質は検出できなかったがpI3.8〜5の酸性タンパク質では5個の誘導タンパク質を見出し、その中の4個は放射性メチオニンの取り込みも増加していた。これらのタンパク質の精製とアミノ酸配列分析を行っている。
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