ミノクロナル抗体の作製:カルパイン由来白血球活性化因子(アセチル/ホルミル(a/f)-MFLVNSFLK、a/f-MAGIAAKLAK、a-SEEIITPVY、a-MFLVN)を個相法により化学合成した。またカルパイン遺伝子の構造をもとにカルパインI、IIの抗原決定部位をコンピュ-タ-解析した結果、それぞれ8部位が推定されたので、このうち4種類のペプチドを合成した。これらのペプチドはそれぞれKLH、BSAに結合させ、抗原としてマウスに免疫し、モノクロナル抗体を作製した。これらのペプチドのうちa-SEEIITPVYについてはマウスモノクロナル抗体産生ハイブリド-マ細胞株を樹立し、抗体の量的生産を行っている。 白血球活性化能の測定:現在までに合成した22種のペプチドをもちい、炎症性疾患の多核白血球活性化能を検討した。健常人42例、乾癬症患者18例、掌蹠膿疱症5例、扁桃病巣感染症4例、リウマチ1例の多核白血球に各ペプチドを作用させ、新たに開発した微量測定法により脱顆粒活性を測定した。このうち健常人2例にa-SEEIITPVYによるエラスタ-ゼ放出反応が認められた。また上記疾患患者の多核白血球のエラスタ-ゼ放出反応は健常人に比べ、標準物質であるf-MLFのみならず、f-MFL、f-MFLV、f-MFLVNSFLKに約2倍強く反応することが認められたが、他のペプチドでは反応性に著しい差異を認めなかった。各ペプチドによりヒト多核白血球が産生する活性酸素の測定は、ケミフォトメ-タ-を用いた化学発光法により行った。その結果エラスタ-ゼ放出反応と同様にホルミルペプチドに強い反応が認められた。
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