研究課題/領域番号 |
01570189
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
山本 格 新潟大学, 医学部, 助教授 (30092737)
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研究分担者 |
矢尾板 永信 新潟大学, 医学部, 助手 (00157950)
木原 達 新潟大学, 医学部, 教授 (80018324)
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キーワード | メサンギウム細胞 / 慢性腎不全 / 糸球体濾過 / 増殖因子 / サイトカイン / 腫瘍壊死因子 / インタ-ロイキン1 |
研究概要 |
糸球体濾過障害はメサンギウム細胞の増加とメサンギウム基質の増加に起因すると考えられる。本研究ではメサンギウム細胞の増殖にサイトカイン、特にマクロファ-ジなどに由来する腫瘍壊死因子(TNF)とインタ-ロイキン1(ILー1)の関与をメサンギウム細胞増殖性腎炎モデルを作製し、また培養メサンギウム細胞を用いて検討した。 1)メサンギウム細胞増殖性腎炎モデルでの検討 抗ラット胸腺細胞抗体をラットに投与するとメサンギウム中心の増殖性腎炎が起こる。増殖している細胞はメサンギウム細胞のマ-カ-であるThyー1、Desmin陽性で主にメサンギウム細胞であったがラットマクロファ-ジのマ-カ-であるEDー1陽性細胞も見られた。このメサンギウム細胞が増殖している糸球体を単離、培養するとその培養上清中には対照に比し有意に高いTNF、ILー1活性を認めた。また、糸球体よりRNAを抽出しILー1に対するmRNA量を測定したところ、それも有意に増加していた。さらに、ILー1cDNAプロ-ブを用いたin situ hybridization で実験的糸球体腎炎モデルやヒト糸球体腎系球体にILー1mRNA発現細胞を認めた。 2)培養メサンギウム細胞による検討 ラット培養メサンギウム細胞を0.5%牛胎児血清(FBS)中で6日間培養すると約75%の細胞はGo/G1期に入った。リコンビナント ヒトTNF(2ー200ng/ml)とILー1(0.1ー2.5ng/ml)はFBS(0.625ー2.5%)または血小板由来増殖因子(0.8ー4ng/ml)が存在するとこの細胞の増殖を有意に促進した。 これらのことからTNFやILー1は糸球体腎炎においてメサンギウム細胞の増殖を促進している可能性が示された。
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