• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1991 年度 実績報告書

マラリア原虫の有性世代の分化発育に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 01570212
研究機関名古屋大学

研究代表者

川本 文彦  名古屋大学, 医学部, 講師 (40115556)

キーワードマラリア原虫 / 分化分育 / 生殖体形成 / 有性世代 / オオキネ-ト / オオシスト / Ca^<2+>依存性代謝系 / 核酸合成機構
研究概要

1)ネズミマラリア原虫をモデルとして、雄性生殖体形成期における核酸合成の制御機構について、各種の阻害剤を用いて調査した。その結果、NA^+/H^+交換体の阻害剤であるアミロライドやプロテインキナ-ゼの阻害剤のスタウロスポリンでは無処理区と差は認められなかったが、Ca^<2+>放出阻害剤のTMBー8やカルモデュリン阻害剤のWー7により核酸合成は強く阻害された。電顕による観察でも、アミロライドやスタウロスポリン処理では、正常細胞と同様、核の肥大および細胞質にアクソネ-ムの形成が観察されたが、TMBー8やWー7処理区では、核は小さく、アクソネ-ム形成は全く認められなかった。また、ERはラメラ状に変形しており、これらの結果から、生殖体形成期における核酸合成は、Ca^<2+>/カルモデュリン依存性の代謝系に制御されていることが判明した。
2)オオキネ-トからオオシストへの発育誘導に関する検討では、媒介蚊であるAnophleles stephansiの培養細胞との共培養を試みたが、成熟オオシストへの発育やAedes albopictus培養細胞との共培養で観察された細胞内への進入は認められなかった。また、オオシスト壁の構成成分となると考えられる種々の糖を添加しても誘導されなかった。ごく最近、トリマラリアのオオキネ-トの人工培養による成熟オオシストへの分化誘導とスポロゾイトの形成が報告された(A.Warburg & L.Miller,1992)が、彼らの実験系を参考として、今後、更に検討してゆきたい。
3)生殖母体形成における細胞内情報伝達因子による発育誘導に関する検討では、用いた薬剤に体して全く反応が認められず、この点も今後の大きな課題として残された。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Kawamoto,F.: "Possible roles of Ca2+and cGMP in the exflagellation of Plasmodium berghei and P.falciparum." Mol.Biochem.Parasitol.42(2). 101-108 (1990)

  • [文献書誌] Kawamoto,F.: "Plasmodium berghei:Ionic regulation and the induction of gametogenesis." Exp.Parasitol.72(1). 33-42 (1991)

  • [文献書誌] Syafruddin: "Penetration of the mosquito midgut wall by the ookinete of Plasmodium yoelii nigeriensis." Parasitol.Res.77(3). 230-236 (1991)

  • [文献書誌] 川本 文彦: "マラリア原虫の生殖体形成機構" 化学療法の領域. 8(3). 504-511 (1992)

  • [文献書誌] Syafruddin: "Development of Plasmodium berghei ookinetes to young oocysts in vitro." J.Protozool.39(2).

  • [文献書誌] Matsuoka,H.: "Cyclical transmission of Plasmodium berghei(Coccidiida:Plasmodiidae)by Anopheles omorii,Sakakibara 1959(Diptera:Culicidae)." J.Med.Entomol.29(2).

  • [文献書誌] Kawamoto,F.: "Gamete development in Plasmodium berghei regulated by ion exchange mechanisms." Parasitol.Res.78.

  • [文献書誌] Kawamoto,F.: "Ca2+/calmodulinーdependent DNA synthesis in microgametogenesis of Plasmodium berghei." Mol.Biochem.Parasitol.

URL: 

公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi