• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1990 年度 実績報告書

Strongyloides venezuelesisを用いた糞線虫感染防御免疫の研究

研究課題

研究課題/領域番号 01570218
研究機関琉球大学

研究代表者

佐藤 良也  琉球大学, 医学部, 教授 (60092699)

キーワード寄生虫病 / 糞線虫症 / S.venezuelensis / インタ-ロイキン5 / 感染防御免疫
研究概要

マウスを用いた糞線虫感染モデルにおいて,感染マウスでは消化管内成虫に対する強い排除反応と二次感染の移行期成虫に対するほぼ完全な免疫防御が発現すること,これらの防御反応はT細胞依存性であるが,血清抗体単独ではこのような有効な防御免疫を賦与できないことなどを明らかにしてきた。感染マウス脾細胞から分画したTリンパ球集団は,ごく小数をヌ-ドマウスに移入しただけで明らかな防御効果を発揮するようになるが,これを抗原とともに培養した培養上清や,細胞を破砕して得た抽出液の移入による防御効果は,消化管内成虫,移行期幼虫のいずれに対しても明らかではなかった。他方,腸管における排虫促進,二次感染防御におけるILー5の役割について,抗ーILー5モノクロ-ン抗体を用いた検討を加え,ILー5は腸管での排虫反応には関与しないが,再感染における移行期幼虫に対する防御反応には強く関与していること,そこではILー5によって誘導される好酸球が何らかの重要な役割を演じている可能性が示唆された。
マウスにおける防御免疫は,消化管成虫の排虫と体内移行幼虫に対する防御の形で発揮され,これらの防御反応は各々異なる免疫メカニズムによって担われていることは既に明らかにされているが,今回は,各々の免疫応答の差違を免疫ブロット法による抗体反応の差として捉えることを試みた。肺から回収された幼虫を直接消化管内に移入して感作したマウスでは,体内移行幼虫のみで感作されたマウスに比べて徴弱な抗体反応を示したのみであったが,両者によって認識される抗原の間には明らかな差を認めることができた。これらの抗原の感染防御活性の比較,および虫体の発育にともなうこれら抗原物質の局在を検討するために,各々の抗原の単離,精製を現在実施中である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Yoshiya Sato: "Strongyloides venezuelensis infections in mice" International Journal for Parasitology. 20. 57-62 (1990)

  • [文献書誌] Yoshiya Sato: "Effects of spleen cells and serum on transfer of immunity to Strongyloides venezuelensis infection in hypothimic (nude) mice." International Journal for Parasitology. 20. 63-67 (1990)

  • [文献書誌] Yoshiya Sato: "Immunoblot analysis of three antigen preparations from Strongyloides stercoralis larvae in human strongyloidiasis" Japanese Journal of Parasitology. 39. 258-266 (1990)

  • [文献書誌] Masataka Korenaga: "The role of interleukinー5 (ILー5) in protective immunity to Strongyloides venezuelensis infection in mice." Immunology.

URL: 

公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi