1.マラリア原虫P.yoeliiのCa^<2+>・ATPase遺伝子のクロ-ニングと全塩基配列の決定 (1)既にP.yoeliiのCa^<2+>・ATPaseの遺伝子を含むと思われるクロ-ンyH4(3.3kb)を得ているので、これをプロ-ブとして遺伝子ライブラリ-をスクリ-ニングし、新たなクロ-ンYEL6(6kb)を得た。 (2)サンガ-の方法によりYEL6の全塩基配列を決定した結果YEL6は全長1115個のアミノ酸よりなるタンパクをコ-ドする遺伝子を含み、その中に2個のイントロンが推定された。 (3)原虫より全RNAを抽出しノ-ザン解析をおこなった所、4.4kbの位置に強いシグナルを認め、YEL6の原虫内での発現が明らかになった。 (4)コンピュ-タ-処理によりYEL6のコ-ドするタンパクを他生物種から得られている陽イオン輸送性膜ATPaseと比較した結果、YEL6はAPaseの特徴であるリン酸化部位及びATP結合領域のアミノ酸配列に高い保存性を示していた。YEL6のタンパクはアミノ酸配列においてウサギ筋小胞体Ca^<2+>・ATPaseと最も高い相同性(60%)を示し、ヒト奇形腫形質膜Ca^<2+>・ATPase、ヒツジ腎Na^+・K^+・ATPase、ラット胃H^+・ATPase、酵母形質膜H^+・ATPase、L.donovaniATPaseとは相同性が低かく(36-47%)カルモジュリン結合部位も示さない。 (5)さらに、YEL6のタンパクは10個のトランスメンブレン領域を示し、ウサギ筋小胞体のCa2^+・ATPaseのCa^<2+>結合部位であるグルタミン酸残基群を完全に保存していた。以上から、YEL6はP.yeeliiの細胞小器官型Ca^<2+>・ATPaseをコ-ドすることが強く示唆された。 2.P.falciparumのCa^<2+>ATPase遺伝子のクロ-ニング P.yoeliiのCa^<2+>・ATPase遺伝子をプロ-ブにしてP.falciparumの遺伝子ライブラリ-をスクリ-ニングし、幾つかのクロ-ンを得た。
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