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1990 年度 実績報告書

トリパノゾ-マ原虫由来物質による抗腫瘍活性の増強効果について

研究課題

研究課題/領域番号 01570226
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

新家 荘平  兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10029770)

研究分担者 宮本 彦四郎  兵庫医科大学, 医学部, 助手 (90175620)
小松 俊憲  兵庫医科大学, 医学部, 講師 (40131578)
福間 利英  久留米大学, 医学部, 教授 (90125146)
キーワードトリパノゾ-マ原虫 / マウス / 感染血清 / 虫体ホモジネイト / インタ-フェロンα / β / NK活性
研究概要

Trypanosoma gambiense(Tg)原虫の培養上清中に見出されるIFNα/βーNK活性の誘導因子が蛋白としてはごく微量であり、またその収量が不安定であることが判明したので、今年度は対象を原虫感染マウス血清および原虫のホモジネイト成分中に含まれる低分子活性物質に切り換え、その性状及び免疫系への影響を検討した。
Tg原虫(Wellcome株)3×10^4個をBALB/cマウス(6ー8週令)の復腔内に感染させた後3日目の血清を採取し虫体を除去したものをTg感染血清とする一方、Tg感染血からDEAEセファロ-スにより分離した10^9個の虫体を凍結融解後、ホモジナイザ-にかけその遠沈上清を虫体ホモジネイト成分とした。このTg感染血清及びホモジネイト成分を同系マウスに静脈内投与すると、同マウスの血清中には投与後1ー2日目をピ-クとする高いIFNα/β活性が検出され、脾中にもNK活性が同調して誘導された。感染血清中には感染により生じたINFα/β活性が含まれているので、抗IFNα/β抗体を加えてその活性を完全に中和したが、同血清のIFNα/β活性ーNK活性の誘導能に影響はなかった。また感染血清では10^8倍まで高度に希釈してもその活性を認めたが、ホモジネイト成分では40倍希釈により有意な活性は検出されなくなった。次に両者を限外瀘過法(モルカットII)によって分画し、各分画について活性を調べたところ感染血清では、その主な活性は分子量5,000以下の分画に認められたが、ホモジネイト成分では分子量5,000〜10,000以上の分画にのみその活性が検出された。以上の結果、感染血清およびホモジネ-ト成分には、比較的低分子量のIFNα/βーNK活性の誘導因子が存在することが明らかになったが、さらに両者の活性の収量や分子量の比較より原虫感染によりマウス血中にマウス由来の低分子活性物質がde novoに誘導されて来ることが示唆された。なお、感染血清中には有意なILー4活性は検出されなかったが、ILー6活性が誘導された。現在カラム操作によりこの活性因子の分離精製を試みている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 新家 荘平: "トリパノゾ-マの抗原変異" 遺伝. 43. 39-42 (1989)

  • [文献書誌] 福間 利英: "ヒトおよびモルモット血清中に認められる殺トリパノゾ-マ成分の検討" 長崎大学熱帯医学研究所共同研究報告集. 31-33 (1989)

  • [文献書誌] 宮本 彦四郎: "トリバノゾ-マ原虫に対するNK細胞" 遺伝. 152. 436 (1990)

  • [文献書誌] 福間 利英: "熱帯原虫病の分子生物学" 遺伝. 44. 31-33 (1990)

  • [文献書誌] Toshihide Fukuma: "Simple and effective measure on initiative cultivation of Trypanosoma b.gambiense in vitro." Tropical Medicine. 33. (1991)

  • [文献書誌] Toshihide Fukuma: "Is serum albumin toxic for bloodstream forms of African Trypanosomes in vitro?" Tropical Medicine. 33. (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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